一年後

第12話『逆十字切り』

 あれから一年、今日はイマジネーションの最終試験だ。基礎の天からイマジネーションの訓練をしてきた。


 何故かデイナさんとアイリスさんが居る。そう、彼女達は私に刺激を受けてイマジネーションの猛特訓をしたのだ。


「アイリスのイマジネーション行きます!!!」


 アイリスさんはヨーヨーにイマジネーションを込めると。


 炎が包み、それを投げる。


 ヨーヨーは的に当たり爆発する。そして、ヨーヨーはアイリスさんの手に戻る。


 おーう、凄い、流石、アイリスさんだ。


「当然の結果ね」


 アイリスさんは有頂天である。それを見た理事長が頷く。これは合格か。


 次はデイナさんだ。


 デイナさんが前に出ると緊張した様子だ。そして、デイナさんは短剣を抜くと的にダッシュする。的を切り付けると巨大な氷に包まれる、更に氷を切り付けると的は氷と共に粉々になる。


「なんとか、成功しました」


 理事長は上機嫌だ。デイナさんも合格か。


 さて、私の番だ。


 真紅の瞳が輝くと私は両手の拳を握る。その瞬間イマジネーションが発動して光と共に衣装が変わる。ピンクと白の魔法少女の様な魔装だ。


「発動、最強のイマジネーション」


 私はその言葉を放つと羽を動かして地面から離れる。このトンボの様な羽は地上から数メートルなら空を飛べるのだ。そして、高速で的に近づき剣を抜く。


『奥義、逆十字切り』


 これは師にカエスルさん持った者だから付けた必殺技だ。私は紅の瞳を持ち、運命はカエスルさんと出会いであった。


 そして、カエスルさんの運命をこの剣に込めたモノだ。的は四つに切れて、私はイマジネーションを解く。


「よくやった、エルフローラ」


 私にカエスルさんが声をかける、それに対して私は素直に喜び、カエスルさんに抱きつき甘える。


 この一年でカエスルさんも変わった。追憶の恋であるレイナさんの影が消えていたのだ。


「エルフローラ君、合格だ、今日から正式な聖剣の所有者だ」


 理事長から聖剣を渡される。


 うあああああ。まさに幸せの絶頂だ。

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