第8話 『天』から『イマジネーション』へ……。
朝の訓練が終わり、一限は学科の授業であった。
「『天』とは全身のオーラを一点に集める事である。また、天をマスターすると『イマジネーション』を覚える事になる。イマジネーションとは天のオーラの塊を色々な術に変換することである」
へー私はいきなり『天』の訓練を行ったが、普通は学科で学んでからなのか。
「では、お手本を見せよう」
すると、学科の先生は右手を前に出すと手の平に全身のオーラが集まる。
そして、炎が現れる。凄い、これが天を使ったイマジネーションの結果なのか。
「私は、火属性なので、イマジネーションは炎が出る。これは生まれながらの個性なので、そこの所をよく理解するように」
うーん、私のイマジネーションは何であろう?
考えただけでドキドキするな。
その後も哲学、世界史、数学と基礎科目が続く。お昼過ぎの眠気が出る時間帯に体育の授業である。
「あああ、ダルイな」
私は頭をポリポリかきながら制服から体操着に着替える。あれ?体育教師はカエスルさんだ。
「武術担当のカエスルだ、皆さんには挨拶は不要か、一年生は基礎体力を付けてもらう」
やはり、天は二年生以上のカリキュラムなのか。オーラを操るのは簡単に言えるが、違う、イメージトレーニングの積み重ねだ。更に『天』から『イマジネーション』にいたるには多くの難題が待ち構えているはずだ。
勇者か……。
私はぼんやりと勇者の道の厳しさを感じていた。
「そこ!エルフローラ!気の抜けた顔をしているな!」
ああああ、カエスルさんに怒られてしまった。私は気合を入れ直すとグランドの十周の走り込みから始まる。それから、厳しい肉体の鍛錬が続き皆バテバテだ。
しかし、私が平気な顔をしていると。
「ちっい、これだから真紅の瞳のナジナ族は……」
差別される事には慣れている。でも、今は違う、私は聖剣に選ばれたのだ、それは将来、人の上に立つ事になったのだ。
私は体育の時間も特別メニューを頼もうとしたら。
「エルフローラ、元気そうだな、なら朝の訓練を増やそう」
え?あのキツイ修行を増やすのか?そう、ただの肉体強化ではなく、生死をかけた戦う為の訓練である。
少し普通の人間が羨ましく感じた。
私はグランドに横になり右手を上げる。イメージは手に全身のオーラが集まる感触だ。すると、右手が温かくなりぼんやりと天ができた感触だ。
「聖剣がエルフローラを選んだ訳だ。今朝、初めて学んだ、天の基礎がもうできている」
それはカエスルさんの驚きの言葉であった。
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