第5話 聖剣の伝説
翌日、カエスルさんを先頭に十人程の新入生が山道を歩く。
「む!」
カエスルさんが突然止まる。何だろう?この嫌悪感は……。私は心が凍った気分でいると。
上空から魔族が降りてくる。生徒達がざわつき始めると。
「安心しろ、あれは五級の低級魔族だ。おそらく群れからはぐれた魔族であろう」
カエスルさんが叫ぶと剣を抜く。魔族はその戦闘力に合わせて一級から五級までに分かれていて、たまに特質系の零級魔族がいるのだ。
これから勇者になる将来を希望したのだ、敵である魔族を恐れてはいけない。私は凛とした眼差しでいると。
「エルフローラさん、その目は紅のナジナ族でなくて?」
普段から紅色の瞳にオーラが合わさり、アイリスさんが私に脅えている。カエスルさんが逆十字なら私は忌み嫌われた紅の瞳のナジナ族だ。
「ケンカは止めよう、魔族と戦うカエスルさんの邪魔にならないようにしなくちゃ」
デイナさんが私達に声をかける。確かにそうだ、私はまだ戦う手段を得ていない。私は高ぶるオーラを消して岩陰に隠れる。すると、カエスルさんが簡単に五級魔族を切り裂く。
ふ~う、安心した。今、思い出してもカエスルさんの真剣な表情が忘れられない。これが戦いに染まった世界なのかと思うのであった。
更に、山道を進むと。太陽がかけていった。日食である。この世界は天文学が進んでいて数百年に一度の日食の予報がされている。確か次の日食も近い日付である。
その昔、聖魔大戦があり。
魔族によって人間族が滅亡しかかった時に、日食の日に作られた聖剣が勝敗を分けたらしい。
大勇者カセルの聖剣の伝説である。
その後の戦争の復興過程で大勇者カセルは国家勇者騎士高等学校の創設者となった。それは、後世の平和を願っての勇者の養成の学校を作ったのだ。
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