勇者コージは特別依頼を受ける
グスタフの案内もあって
お城の個室にはすんなりたどり着けた。
個室といえど
広さは20畳くらいあるのだろうか。
あの訓練所に併設している
寮みたいな個室よりも
格段に快適な部屋になっている。
まず広いのは当然だけど
絨毯が敷かれていて家具等は
質のいい木材で出来ている。
ベッドも豪華で
クイーンサイズくらいの大きさだろうか?
スベスベのシーツに
フワフワの布団が用意されている。
本棚には歴史書やマナーの本、
魔術書や兵法等の書物がぎっしりと
詰まっていて全部読むのに
相当時間かかりそうだ。
……まぁ読まないけど!
今日からこの部屋が自室となり
訓練も自由になった。
……これってここで毎日
ダラダラしてていいんじゃね?
訓練とかする必要あるか?
まぁ…いまだにグスタフには
一本も取れないけど
聖剣とか持てば何かバフとかかかって
勝てるだろ。 知らんけど。
そんなことを考えながらベッドで
寝転がっていたらドアがノックされた。
「だれだ!?」
寝心地の良いベッドでウトウトしていた時に
突然のノックだったのでつい声を荒げる。
「私です。アリシアです。
少しお話がしたいのですが…」
急いでドアを開けて部屋に招き入れる。
アリシアは以前と同じようなドレスとして
髪も整えてあった。
ふわりと良い匂いがして
何だかドキドキしてきた。
「お話ってのは…」
「まずは急にお部屋に訪ねて
申し訳ございません。
特級兵への昇級おめでとうございます。」
「あ…ありがとうございます。」
「私には先程入った情報ですので
まずは直接お祝いの言葉を伝えたいと
思いましたので。」
「わざわざありがとうございます。
これもアリシア様が応援してくれた
お陰ですよ。」
と言っておく。
正直最初に会ってから今まで
顔を見たことも無いけどね。
王族には良い顔しておくにこしたことは
無いよね。
「実はここに訪ねて来たのは
お祝いの言葉もそうですが、
依頼を頼みたいのもありまして…」
「依頼ですか?
どんな依頼ですか?」
「個人的な依頼なのですが…
今ここでは詳しく説明出来ないのです。
それでも…受けていただけますか?」
…あやしい。
けど断る義理も理由も無いので
「わかりました。依頼を受けましょう。
何をすればよろしいでしょうか?」
アリシアの顔が赤くなったのも
気になったからね。
「!!…では今日は部屋から出ないで
体を綺麗にして待機していてください。
夕食後に依頼内容の詳細をお伝えします!」
と言って顔を真っ赤にしながら
俯いてしまった。
………なんだろう?
とりあえず
「わかりました。待機してますね。」
と伝えたら
「失礼します。ありがとうございます。」
と小声で返事しながらアリシアは部屋を
足早に出ていった。
これはもしかしてもしかするのか?
その後は落ち着かないまま
自室で待機していた。
時間になって夕食が運ばれてきたが
やはりあの頃の食事よりも
内容も豪華になり質も良くなった。
流し込んで飲み込むような食事から
味わって食べる事が出来るようになっただけ
大分待遇が改善されている。
「これが特級か…」
部屋に備え付けられている
シャワーで汗を流して部屋に用意されている
部屋着に着替えてアリシアが来るのを待つ。
コンコン
ドアがノックされた。
「誰?」
おそらくアリシアだろうが
一応聞いておく。
「私です。アリシアです。」
「どうぞ」
本来はアリシアの方が立場が上なのだが
依頼する立場と受ける立場なので
今はこちらが上だ。
部屋に入ってきたアリシアは
地球で言うところのネグリジェのような
薄い寝間着である。
アリシアをベッドに座らせてこちらは
部屋にあった椅子をベッド前に移動させ
向かい合うようにして座る。
「それで…依頼とは?」
アリシアは顔を真っ赤にさせながら
モジモジしていたが、
意を決して大声で答えた。
「私と…子作りしてください!」
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