勇者コージ才能が開花する

召喚された日から

15日くらいは経っただろう。


最初の数日は訓練所を走るだけでも

悲鳴あげていたものだが、

体が慣れてきたのか5日目くらいから

段々周りと同じ速度で訓練所を

周回出来るようになってきていた。


6日目くらいからグスタフの指示により

訓練所の周回を2〜3回にして

模擬訓練を取り入れる事になった。


最初こそ一般兵に一方的にやられてたが

徐々に捌けるようになり、

少しづつ当てれるようになってきた。


8日目くらいには一般兵にあてるのは

容易になったため、グスタフと専属で

模擬訓練を行っていた。



さすが特級と言うべきか一般兵と違い

手も足も出せない。



一方的にボコボコにされて

1日が終わった。


9日目も同じようにボコボコにされて

悔しいから強さの秘密を聞くと

魔術による自己強化を行う事で

戦闘がかなり変わると。



「これだ!」と思った。


自己強化の魔術を使って

ゲームのキャラみたいにバッサバッサと

切りまくるとか!



何で早く気が付かなかったんだろうと

思っていたがふと以前グスタフが


『自己強化しながら訓練しても

極限の状態になったら何も出来ない。

自己強化している状態が普通になっている

兵士がもし魔力が尽きてしまったら

その時は一般人より弱い。

常に自然な状態で自分を追い込め。』


と言ってたのを思い出す。



…それでだろう。

と自己完結する。



いきなり自己強化を発動させるのは

怖いので一応グスタフに色々聞いてみる。


自己強化の魔術を発現するには

高度で精密な体内の魔力操作が必要らしく、

素人が我武者羅に発現させようとすると

肉体の一部が吹き飛ぶ事があるらしい。




…事前聞いておいて良かった。



自己強化よりも練った魔力を外に向けて

放つ方がまだ暴走したり

肉体が吹き飛ぶ危険も少ないので

放出する魔術の訓練も

並行して行う事になった。



グスタフの見立て通り魔術の才能があるのか

容易された的に当てる訓練は一発で当てて

周りの兵士から拍手をもらった。


的に当てる訓練も2〜3日続けたが

徐々に距離を広げても

確実に的に当てる事が出来るので

グスタフや周りの兵士から褒められた。



やっぱ俺出来る男じゃん!

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