勇者コージ夕食を用意してもらう

食事が運ばれるまで

ベッドで横になっていた。


思えばいきなり異世界召喚されて

武器を振って魔術を発動させて

「異世界キター」って思ってたが

もうあっちには戻れないのかな?

と思うと少し寂しく思えてきた。


寝る前に持っていたはずの

スマホは寝ている間に手から落ちて

そのまま召喚されたのかどこにも

見当たらないし。


どうやら魔族の王とやらを

倒さないと元の世界には戻れなさそうだし。


これといった娯楽がなさそうな

世界では地球の各種コンテンツが

懐かしく思えてきた。


その時


『コンコンコン』

とドアをノックする音がした。


「はい」

と返事をすると


「お食事をお持ちしました」

と女性の声が聞こえてきたので

ドアを開ける。


ドアの向こうには

鋭い狐目で丸い眼鏡をかけ

長い茶髪を後ろで束ねた

スカート部が大きく広がったメイド服を着た

妙齢の女性が立っていた。


イリスと名乗った女性は

カートと共に部屋に入ってきて

慣れた手つきで食事を机に並べていく。


食事は一人前の量だが

バランスを考えられた食事だった。

お米とスープと魚を焼いたもの。

それに彩り豊かなサラダ。


これはこちらの標準的な食事なのだろうか?

それとも異世界勇者向けの食事だろうか?


そんな事を考えてたら


「こちらは2・3級兵共通の

一般的な食事になってます。

等級が上がりますと食事内容も

変化しますので訓練を頑張ってください」


と言われた。


等級が上がると部屋だけでなく食事も

より豪華になるらしい。



「食事が終了したと思われる頃に

食器を回収に伺います」


個室は上げ膳据え膳の等級のようだ。

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