勇者コージは初日を終える
一通り説明を受けて
簡単な実戦形式の訓練を行い
最後に今までの経歴を聞かれたので
ざっくりと説明したところで
本日は終了となった。
初日なので力量が確認できれば
十分だとグスタフに言われた。
訓練所の近くには学校くらいのサイズの
兵舎があり、多くの兵士はそこで
寝泊まりをしているらしい。
兵士には等級が付けられて
グスタフみたいな団長クラスは
王国騎士団に数人しかおらず
特級兵クラスに該当するとの事。
等級を上げるには
様々な戦場で戦果を上げるか
定期的に兵士同士で行われる等級戦で
勝ち続ける必要があるそうだ。
苦労して特級兵になればその分
様々な事で優遇される事があり、
特級兵の部屋は完全個室で
部屋の管理や身の回りのお世話をしてくれる人が
数人付くとの事だった。
1級兵も個室が割り当てられ
部屋の管理やお世話してくれる人が
1人付いてくれる。
2級兵と下っ端の3級兵は相部屋で
他の兵士の雑用も担う事になるとの事。
異世界召喚された勇者は
基本的に2級兵と同等の扱いを受け
能力次第で1級兵か特級兵の
扱いを受ける事があるとの事。
但し異世界召喚勇者は訓練等では
2級兵の扱いだが他の兵との差別化及び
兵士からの様々な僻み(ひがみ)
妬み(ねたみ)嫉み(そねみ)を
受けないためにも個室が割り当てられるらしい。
俺も兵舎2階の個室が割り当てられた。
兵舎は3階建ての建物で
1階には特級兵の部屋と食堂
食事の準備場と洗濯場や浴場に共同トイレ、
住み込みのお世話係の人たちの居住区
武器防具等の管理場が割り当てられている。
2階は1級兵の個室と
異世界勇者用の個室、
1級兵候補の2級兵の相部屋
が割り当てられている。
3階は2級兵の少し広い相部屋と
窮屈な3級兵の相部屋がある。
この世界はエレベーター等は無いので
2級兵と3級兵は上の階に配置に
なり何かあれば1階まで下りて
用事を済ませば上の階まで戻る。
グスタフに案内されながら
2階の個室に入ると8畳一間で
ベッドと簡易的な棚と机が
置いてある部屋だった。
棚には訓練着や洗濯用の洗剤や
タオルが置かれていたが
使い終わったものは兵舎の
所定の場所にある置き場に
時間までに置いておくと
洗濯してくれるとの事で、
個室組は訓練中にタオルや訓練着は
新しいものが部屋に補充されている
との事だった。
あくまで個室組の特権で
相部屋の兵は自分達で洗濯を
行うのでそのあたりでも
他の兵士達からも色々やっかみを
受ける可能性があるので注意を受けた。
特に3級兵は訓練の他に
上級兵の洗濯物も義務化されているので
異世界勇者が妬みから
兵舎で襲われたケースもあるため
不用意に兵舎の中をうろつかないよう
注意を受けた。
食事は殆どの兵は1階の食堂に集合し
全員で食事を取るが、
個室組は他の兵との差別化も含め
個室まで食事を持ってきてくれるそうだ。
俺はちゃんと異世界勇者として優遇されているようだ。
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