勇者コージは体力測定を行う

歴史と地理の講釈が終わり次は

検査を行うと言われ、

お城から少し離れたところにある

訓練所に移動となった。


案内してくれるのは

王国騎士団の団長で

グスタフと言う名前だった。


見た目は完全に

某ゾンビゲームの主人公の1人の

脳味噌筋肉ゴリラなんだが、

口調は砕けた感じで

親しみやすい感じだった。




「さてこれから適性を検査するため

いくつかテストを行う。

今後の事に関わるので

全力で取り掛かるように。


といっても緊張しないで

やれることを見せてくれればいいから。」


そう言ってにっこり笑うが

ぎこちなさがにじみ出ていて

逆に不安になった。




案内された訓練所は

一般的な学校のグランドよりも広く

所々に使い込まれた障害物や

作られた悪路が用意されていて

すでに多くの兵士が

訓練中ではあった。


「まずは体力測定だ。

コースを一周してみてくれ。」


そう言われてコースを

一人の兵士の後を追うように走る。


だが元々インドア派の俺には

まともに走れる体力は無く、

途中ですぐに息が切れてきた。


さらに兵士養成目的の

アスレチックコースみたいな

障害物及び悪路が

容赦なく貧弱な肉体に襲い掛かる。



結果として後を追いかけたつもりの兵士に

2週抜かれたあたりでゴール出来た。


「はぁ…はぁ…

運動とか…苦手なんだよ…

はぁ…はぁ…」


肩で呼吸しながら思わず

弱音が口に出てしまう。



「呼吸が整ったら次は

訓練用の武器を持って

戦闘力テスト行うぞー


武器は得意なヤツでいいからなー」



そんな声が聞こえたので

声のする方を見ると

グスタフが木で出来た

訓練用の武器を大量に抱えていた。



異世界勇者の痕跡が

そこにもあるようで

見覚えある形の武器や

見たことない武器が

乱雑にまとめられていた。



「すぐに動けるか…

この筋肉バカ」



グスタフに聞こえないように

小声でつぶやいた。

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