勇者コージは王様と質疑応答をする

やはり偉そうなオッサンは王様だった。

若干そうは見えない感じがするのだが

王様は王様だ。


王様からの質問はいたって簡素だった。



「名を何と申す」


「野上浩二です」


「ノガミコージか

これで一つの名前か?

区切るのか?」


「ノガミ コージで区切ります

が気軽にコージと呼んでください。」



………正直面倒だった。


聞かれる事が大体は

面接みたいな名前だの

出身だの経歴だの家族構成だの。


王様が聞く事か?

って質問がほとんどだ。



この世界にほかの世界の人を召喚できるって事は

この世界が魔法みたいなものがあるって事で……



魔法的な何かが使えるかどうかが

気になるんだが……



召喚された人をいきなり勇者と呼ぶって事は

何度か召喚を繰り返していて、

召喚された人がこの世界の人たちよりも

何らかの可能性や優位性があるって事だ。



つまり『俺TUEEE』の可能性が高いって事。

早くその事実を確認したい。


しかし下らない質問は続く。



いい加減うんざりだ。



だがここでそんな態度を取ってもろくな事に

ならないのはわかっているから

従順なフリして淡々と質問に答える。



ある程度質問に答えたところで

こちらの質問が許された。




この世界の事 特に魔法と

ついでに衣食住だ。



王様の話だと

まずこの世界には魔法はある。


異世界勇者は適性を確認する必要があるが

多くは魔法が使えるようになる。


そして衣食住は

過去に何度か異世界召喚を

繰り返し行っていて、

その都度召喚者の協力を得て

インフラや生活水準を整えているので、

今は俺みたいな召喚者には過ごしやすい

環境が整っているらしい。


地球でも外国の食事が口に合わないって話

良く聞くがここではその心配はなさそうだ。


あの口うるせぇババアの

美味くも不味くも無い飯

よりはマシなものが食えそうだ。



一通り簡単な質問が終わったら今度は

この世界の歴史と現状の説明が始まった。


要約するとこんな感じだろうか。

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