第一章 涅槃の聖者×多彩なスキル=ストーカー被害を受ける少女
痛い系な女漁り
女神がどんなに自首を勧めても、アンドレーは首を縦に振らなかった。
女神は、アンドレーの不退転の金剛心を打ち破ることはできなかった。
ラチがあかないので、とりあえず天界に引き返すことにした。
(たのむからこれ以上の面倒は起こさんといてや……)
さて、アンドレーは、今日も朝から元気いっぱい。
オールナイトで百の女を取っ替え引っ替えしても、不眠スキルのおかげでグッドモーニングだ。
不名誉スキルが常時発動しているので、賢者タイムも皆無であった。
ものを粗末にしない涅槃の僧侶は、自己否定という時間の無駄が大嫌いだ。
アンドレーは、転生の翌日から、隣町に出かけることが日課になっていた。
目的はもちろん性欲を満たすためだ。
食欲も財欲も名誉欲も睡眠欲もないアンドレーには、他にやることがない。
転生したその日に村の女をコンプリートしてしまったので、隣町が新たな狩場なのだ。
アンドレーは、同居している百の女の中から3人の女を呼びつけた。
エミーリア、オリーヴィア、ジアーナの3人。
エミーリアは、水色のショートヘアー。
銀糸に色を入れたような軽やかな彩。
肌は、驚きの白さで、きっと生まれてから一度も汚れたことがない。
石鹸いらずのエミーリアだ。
オリーヴィアは、地中海の風に育まれたオリーブの実の色を思わせる髪を持つ、色黒の女だ。
髪は長く背が高い。
鼻筋の整った凛々しい美顔の持ち主。
ジアーナは、小柄で丸っこい顔を持つキュートな女の子。
そばかすと、赤毛の三つ編みがトレードマークだ。
アンドレーは、その3人娘を引き連れて、隣の町に繰り出した。
彼は、女漁りの最中ですらも、両手に花を抱えていたいのだろう。
町に入るとすぐに噴水広場にぶつかった。
その噴水は、その町の名物であった。
大きな噴水の周りに、ぐるりと商店がならんでいる。
食べ物、衣服、生活雑貨などなどが、カラフルに陳列されている。
人の数は圧巻で、アンドレーがいすわっている旅立ちの村とは比べ物にならなかった。
アンドレーは、売られている物品には、なんの興味もない。
彼にとって、食べ物も、おしゃれな衣類・装飾物、部屋を飾る雑貨などは、川原の石ころなのだ。
ショッピングを楽しむ町娘たちのみが、彼の興味の対象である。
アンドレーは、今日も、商店に群がる町娘たちを眺めながら品定めしていた。
すると、ある少女に目が止まった。
彼女は、何を買うでもなく、空虚な顔をしながら、噴水を眺めている。
白いフリルつきのローブを着ているから彼女は冒険者で
ガラスをはめ込んだかのように瞳が透き通っている。
アンドレーは、彼女のことがとても気にいった。
彼は3人娘を引き連れたまま、少女に近づいていった。
「おぬしの顔は我の性癖のドストライクじゃ。我のハーレムに入るがよい」
声をかけられた少女は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした。
3人の女に囲まれたイケメンが、いきなりそんなことを言って口説いてきたのだ。
誰だって、そんな風になるに違いない。
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