何かが手に触れた気がした。


確認すると、そこには小さな光が。


それはほんのりと光り、僕に寄り添うように

僕の一歩前を進んでいく。



君だ。






そんな根拠もない感情がふと僕の心を支配した。


思わず涙がこぼれる。


別に僕はロマンチストでも、何か占いを信じるような質でもない。


それでもあの光の輝き方は、生きていた頃の君の輝きと全く一緒だった。



光は一瞬にして輝きを失い、夜に帰っていく。


どんなに一瞬でもその光は僕に君を思い出させるのに十分だった。



もう消えてしまったその光に声をかける。






あなたはまだ輝いていますか?」





涙を拭うために袖で目を覆い隠す。


拭った後、開けた目に映った世界には









君がいた。

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