第21話 交流しよう! 

 やっと家に帰って来れたぜ…やっぱあれだな。自由に動けないの面倒すぎるわ。年齢的に仕方ないと妥協してたが、もう我慢ならん。両親に直談判して一人で外出する許可捥ぎ取ってやる。勝手に外に出ても良いんだが、それやると間違いなく大騒ぎになるだろうからな。


 これでも一応両親には配慮しているのだ。なんせ前世持ちなんていう特級地雷が子どもなんて貧乏くじなんてもんじゃないからな。家を継ごうとしないのも俺の都合が9割だが、1割くらいはよそ者の俺が継ぐべきじゃないと思っているからだ。この世界に転生した所で、前世なんてものがある時点で俺はどこまでいってもこの世界では異物なのだ。この世界の両親が自分の親だという認識はあるが、あくまで認識しているだけであって、俺個人は親として見れていない。面倒を見てくれているベビーシッター的なお兄さんお姉さんの感覚である。


 とはいえ王都でやらかした以上、もうあまり自重する必要はない気がするが。勢いで転生者カミングアウトしちゃったしな。誰も理解してなかった気がするがそれはそれ。俺が唯の5歳児とは少し違う事くらい骨身に染みて理解出来ただろう。


 というかいい加減外で冒険がしたいんだよな。モンスターぶっ殺してレベルアップしたいんだよね。前世持ちの俺にとって最大の弱点、それはグロに対する免疫がない事だ。魚を捌くくらいならなんともないが、所詮はその程度。グロ耐性×ではとてもこの先、異世界で生きていくことは出来ないだろう。王都に行く途中で汚い花火になった牛さん然り、倒したら煙になって消えてくれる優しい世界ではないのだ。


 腕や足を切れば血は出るし、どてっ腹に風穴を開ければ臓物は飛び散り、頭を吹き飛ばせば脳漿をぶちまけるのだ。いざ何かあった時、スプラッタでフリーズして致命的な失態をおかさないとも限らない。そう考えると王都で決闘騒ぎにならなかったのは、ある意味運が良かったのか悪かったのか…ともかく臓物が飛び散った光景を見てもフリーズしない程度にはグロ耐性をつけなければならないのだ。


 果たしてそこまでやる必要があるのかと疑問に思ってしまう所だが、こういうのは考えたら負けだろう。この世界には魔法があるのだ。ならば魔法を使って生きていきたいと思うのは当然の事!そして恰好良い魔法は大概何かを殺す為に使われるものだから殺しから逃げる事など論外!なによりも、この世界の神と狂会の糞共はぶっ殺すと決めている!ならば迷う必要などない!殺れば分かるさ!


 それに別にその辺歩いてる一般人殺すわけじゃないから大丈夫でしょ。俺は誰彼構わず噛みつく狂犬じゃないんでね。流石にいきなりドラゴンとか大物狙う程馬鹿じゃないし。その辺にいるスライムとか兎とか、ちゃんと初心者向けのモンスターからステップ踏んでいくつもりだから。後は魔法だけではなく近接戦闘も修行しないといけないしな!赤ちゃんを卒業した以上、最早転生者としてのアドバンテージはあってないようなもの。これからの10年が俺の将来を決定づけるとなれば、躊躇も容赦もしている時間はないのだ。目指せ神殺し!でっかい目的があるとやる気もでてくるってもんだぜ!!



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 外出の件についてはとりあえず近日中に親に直談判するとして、家に帰ってきた以上する事がある。そう、マルシェラの尻尾をもふもふするのだ!!ロイヤルもふもふが出来ないと分かっていれば王都に行く前にもふもふしていたものを…お陰で一カ月近くお預け食らう羽目になるとか散々だぜ。とはいえもう我慢する必要はない。今すぐ尻尾に飛び込んでもふもふするんだ!


 勢い込んでマルシェラに会いに行ったら、レイプ目ロリ獣っ娘が一緒に居た。そういやいたな。もふもふする事で頭が一杯で存在自体忘れてたわ。ふむ…流石にガリガリなのは変わらないが、毛並みが良くなってる気がする。流石はマルシェラといった所か。毛の手入れに関して右に出る者はいないだけあるな。母親の髪の毛の手入れも何故かマルシェラがしてるくらいだからな。任せて正解だったか。


 とはいえこのロリ獣っ娘をもふもふするのは当分先になるだろうな。犬の獣人ぽいから尻尾とか中々のもふり具合になるんじゃないかと期待しているんだが。一応従者扱いだし、親いないって話だしな。文句言ってくる奴とかいないだろうから好き放題もふっても文句出てこないだろ。しかし妙にマルシェラに懐いてるな。引き取る前は人生に絶望してます感バリバリだったのに。


 まあこのロリ獣っ娘の事は今はどうでも良いか。それよりもマルシェラの尻尾をもふもふ!ん?俺に聞きたい事があるって?ふむ…いいだろう。ロリ獣っ娘を蔑ろにするほど俺は落ちぶれてはいない。いずれは俺のもふもふハーレムの一員になる希少なレイプ目ロリ獣っ娘だからな。無碍に扱うつもりはない。そういえばこのロリ獣っ娘と話した事なかったな。つうか名前も知らねえわ。これはいかん。向こうから話しかけて来たし丁度良い機会、ロリ獣っ娘と交流する事にするか。

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