第7話 やる気が出てきちゃいました!

 目が覚めると知らない天井だった。なわけない、ここは俺の部屋だ。この台詞、気絶から目が覚めた時は言いたくなっちゃうよね。それよりもだ、遂に…!遂に俺は成し遂げたぞ!!俺は遂に魔法が使えたんだ!!やっぱり神様はいたんだなって。俺の祈り呪いに答えてくれたんだもんな。お礼に、誰だか知らないけどお前は最後に殺してやるからそれまで震えて待っててくれよな!!


 それよりも、魔法が使えたのは良いが問題はコスパだろう。まさか塀にほっそい亀裂走らせるだけで気絶するとは思わなかったわ。燃費悪すぎじゃね?5年間必死になって頑張ってきてこの結果は正直ガッカリだよ。まあ使えないよりはいいんだけどさ。考えられる要因としては何だろうな。神から強制的に取り立ててるから割引みたいなものが効いてないとか?いや、あいつらの俺への負債は天文学的で今も雪だるま式に増え続けているからな。魔力消費が100倍になろうが返しきれないから問題ない。となると俺に問題があるのか?


 魔力が少ないっていうのはあるかもな。祝福の儀で石ころが光らなかったわけだし。なら俺のこの5年間は一体何だったのか?おいおい、更に祈り呪いが真摯になっちまうじゃねえか!!困ったもんだぜ。


 後はそうだな、神をぶっ殺す事しか考えてなかったから神じゃない塀に効果が薄かったとかは考えられるな。ようはあれだ。概念攻撃みたいなものだった可能性だ。これもあり得るな。となれば純粋に神だけぶっ殺すつもりで使った神滅魔法で塀に亀裂が入ったのは、それだけ強力でこの世界に影響を及ぼすほどだったという可能性があるか。最初という事で滅茶苦茶張り切っちゃったからな。もしあれで何も起こらなかったら、俺は恥ずかしさのあまり今すぐ家出していたかもしれん。


 部屋にマルシェラが珍しくいないが、俺が気絶したなんて親に伝えたら理由を根堀葉堀聞かれた挙句血相変えて部屋に飛び込んでくるだろうし、伝えてはいないだろう。ならばよし!俺もな、銀狐っ娘ちゃんに冷たく接したくはないからな。マルシェラ可愛いし。尻尾モフモフ出来てないし!


 とりあえず今後どうするかだ。魔法が使えると分かった以上、最早この家に居る意味もないわけだが…いや、まだ時期尚早か。この世界の生物の強さレベルが分からないからな。狂会共が言ってた通り、俺が糞雑魚ナメクジの可能性は十分ある。ここは比較的安全地帯であるこの家で魔法の習熟に勤しむべきだろう。


 目標はそうだな。とりあえずオートガード、これは必須だろう。寝てる最中襲われたり長距離から狙撃されて死にましたとか冗談じゃねえからな。とりあえず何でも防ぐ…は空気が無くなったら俺が死ぬな。敵意とか害意とか分かんねえし。なんなら周り中敵しかいないと言っても過言ではないし。とりあえず魔法がどんな感じで使えるか調べるのが先決か。面白くなって来たぜ!色々試して神と狂会ぶっ殺すぞ!!



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 マルシェラが尻尾をモフモフしても良いと言ってきたんだが!?おいおいマジかよ魔法とモフモフが一度に来るとかクリスマスと正月が一気に来たな!!時代が俺にようやく追いついてきたか?


 とはいえ今はモフモフよりも魔法の方が優先順位は髙い。なんせようやく使える事が知れたんだからな。モフモフは魔法が一段落ついてからだ。モフモフが魅力的すぎてそっちにかまけて魔法が疎かになったら後々非常に困るのは俺だ。俺は目先の餌に釣られて全てを失うクマーにはなりたくない。今までもそうだ。一つ一つを積み重ねてここまで来たんだからな!!それに最後のデザートにモフモフが待っていると分かっていればやる気も漲ってくるってもんよ!!


 マルシェラが目に見えてしょんぼりしたので、ずっと一緒だから問題ないと言ったら、きょとんとした後、花が咲くように笑った。なんてチョロ…可愛いんだ!俺としてもマルシェラから離れていかない限り手放すつもりはない。なんせ獣っ娘もふもふハーレムの一人目だからな!!俺にとって最初の獣っ娘、そりゃ特別扱いもしてしまうってもんよ!だけど忘れちゃいけない。どんなモフモフも、みんな違ってみんないい。叶う事なら全てのもふもふを手中に収めてみたいもんだぜ!!

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