第2話卵の行方

魔物の襲撃から10分前〜ある三人衆の話〜


「なぁなぁ!この近くにコカトリスの卵があるらしいぜ!」


「まじかよ!」


「それで?卵の周りは?」


「あぁ周りには人ひとりと近くに魔物が一匹 そして…卵に向かって行く大量の魔物だ」


「魔物と近くにいる奴は恐らくテイマーだな」


「一緒にいるってことはそうだろうよ」


「人ひとりに魔物一匹、それに対して大量の魔物……やれそうか?」


「追加でもっと魔物を送って、姿を隠せば行けそうだな」


「よし ならやるぞ」




こうして俺たちはコカトリスの卵の強奪を決行した。


「よし コカトリスの卵の確保に成功」


「偽装用の卵は置いたか?」


「あぁ バッチリだ」  


「なら ずらかるぞ」


「「了解!」」


卵の強奪に成功し、俺たちはコカトリスの卵があった24層から14層まで上がって行った。

その時、俺たちは一つミスを犯してしまった。


それは…………………階層を上がる時に卵を偽装していなかったことだ。



 〜ドドドドドドドドドドドドドドドドドド〜



「おい!どうして魔物が襲ってくる!卵にも偽装魔法はかかっているはずだろ!」


「わかんねぇよ!とりあえず逃げるぞ!」


「とにかく逃げるぞ!」


彼らは卵のあった24層から4層まで全力で逃げた。彼らはここまでに全てを出し切ってしまった。

そんな彼らにさらに不幸がおとずれた。


「よし!あともう少しだ!もう少しでここから出られるぞ!」


卵を持った一人が我先にと突っ走ってしまった。


ドガンッ!


「きゃっ!」      「うおっ!」


バダ!ゴロロ


「おい!気を付けろ!こっちは卵持ってんだよ!」


「す すみません!き 気をつけます…」


「おい!早く卵拾え!早く行くぞ!」


「わりぃすぐ行く!」

ガシッ! タタタ……


彼らは去ってしまった。

卵が変わっていることも気づかずに………


「いてて…もう!なんなのあの人たち!私も卵持ってるのにぃ………はぁ今日はツイてない…」


彼女も知らない、卵がすり替割っていること。

その卵を狙って魔物が押し寄せていることも。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る