第47話 才がある選手《スターズ》
投稿遅れて申し訳ございません!!
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今日は終業式。
明日から約3週間もある冬期休暇が始まる。
長い校長の話を終えて、教室でHR(ホームルーム)も終える。
午前11時半頃に解放される。
「やっと長期休暇だぁ~!」
「やる気マックス状態だねぇ。 そんなにこの後の稽古が楽しみなの?」
「何その他人事みたいな言い方。 縁も楽しみで終業式の間、うずうずしてたのに」
「……そうだよ。 アタシも楽しみにしてたさ」
「素直でよろしい」
「その前にお昼ご飯食べないとね」
「だね」
「どこ食べに行くの?」
「テキトーにファミレスでいいんじゃない? 安いし」
「じゃあ、ファミレスに行くか」
「賛成! 私、外食なんて久々だから楽しみ」
「出た、忘れた頃に言い出すお嬢様発言」
「何よそれ~。 外食と関係ないよ。 ゆりちゃんの偏見ひどい~」
「ごめんって、涼香」
「パフェ奢ってくれるなら許す。 ふんす」
「分かったよ……」
オレ達3人は、某イタリアンファミリーレストランに寄って、談笑しながら食事を行う。
その後、空いた時間で稽古と合わせて自主練により長時間、道場に滞在する。
◇
土曜日。
この日は隣町にビギナークラスオンリーの大会が開催するため、オレ、涼香と縁の3人は出場するので隣町に着ていた。
早速、中に入り受付を済ませて更衣室に向かう。
それぞれ道着に着替える。
「良し! あと4勝! 4勝すればシニアに上がれる。 気合を入れるぞ!」
「ふふ。 ゆりちゃん、凄く燃えてるね。 空回りしないようにね」
「うん! 新たな戦法ですぐに勝って見せるさ」
「それフラグじゃね?」
「うっ……、うるしゃい。 さぁ、張り切っていこー!」
あともう少しでクラスアップが出来る。
意地でも自分を鼓舞する。
「私はあと3勝だから、私も頑張るよ」
「二人共頑張って、アタシも追いつくから」
3人は揃って更衣室が出る。
デバイスの機能でマッチング相手が見つかるまで待機。
早速、マッチング相手が決まりそれぞれが会場に向かう。
それから、2戦続けて行いどれも勝利をもぎ取る。
新たな粘液生成により、圧倒的な試合展開に出来たからだ。
毒液を触手に纏わせて、一撃を入れるだけで相手が鈍るため、隙が簡単にできる。
あとは、触手による攻撃だけでゲージを削る。
それが同格相手に容易で決まるおかげで、あっという間に二勝する。
今の成績は9戦8勝1敗。
あと二勝でシニアクラスにランクアップする。
「やっほ~、ゆりちゃん!」
「おぉ。涼香、お疲れ様」
試合が終わりベンチで休もうとした時、聞き覚えがある声がしたと思ったら、抱き着かれる。
その時、涼香の汗の匂いと道着の隙間から見える谷間によって誘惑される。
「ゆりちゃんもお疲れ様! 途中から試合見てたよ。 圧倒だったね!」
「あぁ、疑似結界とゲージがあるから、後遺症が残らないから、思う存分毒が使えるのはありがたいよ、ははっ」
「ゆりちゃん? 今怖い顔してたよ、美人がしてはいけない表情だから笑顔でね!」
「それより、縁は?」
「まだ試合中だったよ、善戦してたよ」
「そっか、縁もLv2になって劇的に強くなったもんね」
「だねー、あの回避力は脅威だものね」
ベンチに座り、休憩しつつ談笑する。
そのベンチに近づいてくる一人の女性がいた。
「蛇谷優里香さんと水上涼香さんでよろしかったでしょうか?」
スーツ姿に眼鏡と見た感じで如何にもキャリアウーマンだ。
「えーっと、そうですけど……」
「それは良かったです。 私はこういうものです」
女性が名刺を取り出して、頭を下げて渡してくる。
そこには「私立青天高等学校 広報 長崎 咲子」と書かれていた。
「これは、一体……」
「広報といことは、高校のパンフレットを配ってることか?」
「違うでしょ……」
「まぁ似たようなものですね。 これを」
彼女は鞄から茶封筒を取り出してオレ達に渡す。
中身を見ると、青天高校のパンフレットが入ってた。
「私はあなた方をスターズ候補として、我が校がスカウトに申し込みに来ました」
「「スターズ?」」
「はい。 スターズとは界隈用語の一つで、異能に目覚めたばかりの中学生が短い間にシニアまで上がれる実力を持っている者を我々は
「スターズってカッコイイな」
「だね。 そう言われると強者って感じだね」
「我々、青天高校は異闘部のスポーツ推薦としてお二方のスカウトに来ました」
「青天高校ってこの県でも有名な進学校だよっ!?」
「涼香なら学力として申し分ないけど、オレでは付いていけないかもな……」
「そこは安心してください、スポーツ推薦としての考慮されますし、授業料免除といった特待生として迎えますので」
「授業料免除っ!?」
「何故そこまでの優遇措置があるのですか?」
「これは学園長の意向ですね。 近年、我が校は異闘部設立したのですが実績がなく、そもそも学力が主な進学校ではスポーツ系の部活に入る者が少ないため、このままでは廃部レベルまで落ち込んでいます。 異闘ファンである学園長の孫娘の願いで、この優遇措置が今年から生まれました。 広報である私が出向いて訳です……」
「「それは大変でしたね……」」
オレと涼香はパラパラとパンフレットを読み進める。
「だから、才がある選手(スターズ)候補?のオレ達にスカウトか」
「はい、お二方はデバイスで確認したところ。クラスアップの条件である10勝以上、勝率2割以上に近いので」
「他にもスカウトしている子がいましたか?」
「はい。 一人だけ。 青陰陽選手ですね」
「……あの子か」
「9戦9勝というあと一歩のところで、観客席にいたところスカウトを申し込みました。 ですが、興味無さそうに聞いていましたが……」
強者の余裕か?
それにしても、見下し感があってムカつく。
絶対にリベンジしてやる!
この瞬間、イレの闘争心に火がつく。
「この推薦ですけど、受験する必要があるのですよね? 実は学力に自信がなくて……」
「安心してください。 形だけの学力テストを行いますが、異闘での実績や面接などの人柄で評価しますので。 ただ、
「分かりました。 オレ達も前向きに検討をしようかと思います」
というか、特待生としては入れて受験勉強しなくて済むならここ一択じゃないのか?
「よろしくお願いいたします。 我が校以外にもスカウトが来ると思いますが、ぜひ我が校に進学を検討してください」
「分かりました。 そう言えば、
「そうですね。 一人目はすでにシニアでも実績を残している”色彩の支配者”
「一人は聞いたことがある……」
「テレビでも見たことがあるものね。 そこに並べそうな私達……」
「これは燃えるな!」
「お二方の健闘を祈ります。 私はここで失礼させていただきます、ほかにもチェックしたい人物を探すので」
「でしたら、猫宮選手とかどうですか? 回避力に加えて、武術による攻撃対応は試合ではかなりの強さですよ」
「それはライバルですか?」
「そうですね、いいライバルです」
「分かりました。 この後猫宮選手の試合を見ていきますね」
女性は礼を言いつつ、立ち去る。
それを見届けたオレ達は再びパンフレットを眺める。
「どうするの、ゆりちゃん? 私はゆりちゃんが行きたいなら私も着いていくよ」
「オレは受けようと思う。 親に負担掛からずに学校に行けるし、それに私立なら設備も良さそうだし」
「じゃあ、私も青天高校狙うね!」
「あぁ。 一緒に受けよう! 縁にもスカウトをしてくれれば三人でいける!」
「今の縁ちゃんなら文句のつけようがない戦い出来るからね」
「よし、まずは確実に受かるためにスターズを目指すぞ!」
「おーっ!」
二人はデバイスを取り出して、マッチング相手を探す。
ランダムマッチで対戦相手が決まる。
その名前は「水上 涼香」。
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あとがき
やっと第一章の終わりが近づいてきました。
もうちょっと戦闘描写を入れて、長くしたほうがいいのかな?
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m(_ _)m
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