第46話 テスト・受験勉強の合間の稽古

文化祭も無事に終わり、残りのイベントは冬期休暇だけだ。

あとは進路について考える時期になる。


涼香みたいに成績がいい子は夏から進路について考えるが、可でもなく不可でもないオレと縁にとってはそこそこの高校でいいのだろう、と考えてしまう。

さすがに勉強しないと入れるものが入れない。

そのため、異闘の練習時間を減らして3人で集まって勉強会を開くようになった。


時が進み、冬期休暇前の期末テストが行われる。

このテストが赤点だった場合は、冬期休暇中に補習とか言うイベントがあるため勉強を頑張る。

勉強ばかりやっていると集中力が欠如するので、息抜きに筋トレ、ランニングと異能力を発動して練習を行い体を動かす。


そして、期末テストの当日。

無事にこのイベントを乗り越えて、久々に道場に通う。









更衣室で道着を着て帯を締める。


「やっと思いっきり体を動かせる~」

「そうだね~。 私もずっと勉強で身体が鈍ってないか心配だよ」

「もう少しで受験だと思と、この時期が最後だからね……」

「「「はぁ……」」」


3人は更衣室から出ると、稽古前の準備で身体を温めていた先輩達が整列し始める。

すると、師範が道場に入場して稽古が始まる。


いつも通りに、簡単な準備運動で事前に手首、足首、膝といった関節部分を動かして武道の基本な動きに入る。

それらを幾つか終えると、組手に入る。


今日の相手は大空先輩だ。

もちろん実力差が天と地の程離れているため、手加減をしてもらう。


彼女が使用する異能は【浮力付与】と【飛行】のみに限定され、武器は稽古用の木刀である。


オレは以前、【粘液生成】の練度を高めるために生物が生成する粘液を調べて学習をした。

その時を活かして、毒が含まれている粘液や糸状で頑丈な粘液を生成して挑む。

その結果、大空先輩のゲージHPを2割まで削ることが出来て敗北した。


「先輩やっぱり強いなぁ」

「蛇谷も成長したね、今回最高記録じゃない?」

「そうですけど……」


メイン武器である触手は、彼女の【浮力付与】で制御がかなり難しくなるため簡単に無効化されるので、拳技で対応するしかない。

だが、拳や蹴りに頼ろうとしても彼女は自身の異能で飛行するため、素早い動きに旋回といった回避があるため、当てるのも一苦労。


「もし飛行を封じられたら、今回は負けてたかもね。 あの粘液、掠っただけで痺れるってヤバイでしょ……」

「実験として使いましたが、先輩相手だと手札として抱えるのは不安になりますね」

「いやいや、十分凶悪よ? あれは私だから戦えるだけだし。 というか、先輩だからって実験道具にするな」

「す、すみません……」

「まぁ、練習のために来ているのだから、私なら付き合ってあげるわ」

「せ、先輩!!」

「ちょっと、抱き付くなって!」


ツンデレ対応して、デレ部分に心に撃たれてつい、大空先輩に抱き着く。

その光景によく思わない子が一人、大空先輩を睨む。


「大空先輩、次は私の相手をしてもらえますか?」

「分かったわ。 ほら、蛇谷も離れて」

「はぁーい。 涼香、頑張れ」

「ゆりちゃん……、私、頑張るから!!」


少し離れて、二人は組手を始める。

オレは少し休憩するためにスポーツドリンクを手に取って飲む。

その間に別の組手に目をやる。


縁と武藤の組手だ。

Lv2まで上がった縁と同じくLv2になった武藤さんの戦い。

肉弾戦がメインの二人は激しい試合となっている。

一発が重い攻撃型の武藤の攻撃を、回避を前提に立ち回り隙を見つけては一撃を入れる縁。

縁はLv2になった影響で筋力が上がったおかげで、ダメージ量が上がり勝ち試合多くなった。

しかし、今回は武藤さんが勝つ。


「猫宮さん強くなったですね。 負けると思って冷や冷やしました」

「にゃ、ありがとにゃん。 武藤さんの頑丈な肉体で中々ダメージが通らなかったにゃ」

「それを言うなら、私の攻撃がよく避けるその身体能力が羨ましいですよ」


気が抜けると語尾に猫語が生える縁は、組手相手の武藤さんと先程の組手の動きに対して反省会を始める。

その時には、【猫変化】を解除して通常のギャルに戻る。


休憩を終えるために、次の対戦相手を探す。

丁度、大林先輩が空いたの稽古の相手に申し込む。


忙しい勉強の合間に行う、この稽古が充実してて今はそれが楽しい。


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