第33話 物質操作対決 触手 vs 球 part2

まえがき


先週は投稿できずにすみません。

今週も体調が少し悪いので、投稿が出来るか不明です。


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ある日の稽古。

オレは天音先輩と組手をしていた。

同じ系統ということで、アドバイスをもらっている。


「はぁ……はぁ……、くっ、全然通用しなかった」

「ふぅ……。ねぇ、蛇谷。 隙があったのに、なぜ接近してこなかった?」

「それは……、接近すると天音先輩の異能に引っ掛かるためです」


その時の状況は、彼女は道場にあるダンベルや鉄球を異能によって宙に浮かせていた。


「たしかに、それをあるかもね。 でも、大半は別の物質操作中に別の操作するリソースがないから、チャンス部分なの」

「なるほど」

「だからって、無暗に接近は良くない。 仮に二つの物質操作使いがいたとして、その異能がお互いにシナジーがあれば片方の操作を甘くしてリソースを割くことができるからね」


それが物質操作の弱点。

オレも触手を操作してる時は体感80%程、操作に集中してる。


「もしそれが、遠距離特化の操作が主な攻撃パターンだったら?」

「攻撃を撃ってから接近したほうが得策ですね」

「遠距離から操作できるということは、その分リソースは大きいの。 そうね、例えばラジコンを意識して」

「はい」

「両手を使ったラジコンをコントローラで操作中に、通り魔に突然襲われたらどうする?」

「リモコンをすぐに離して防御に徹します」

「そうよね。 手にはラジコンを持っているから、咄嗟に別の行動は難しいよね。 しかも、異能を解除しているから、再発動するのに遠距離操作には時間がかかって大きな隙になる」


その後、少し休憩後に天音先輩に再度組手をしてもらった。








そんなことを思い出した。

今戦っている相手はあの例え話の内容と一致している。

つまり、彼女が二つの球を飛ばした瞬間に襲う。


「もう、諦めなっ!」


オレのゲージが残り僅かなのに、試合が終わらないためせっかちの彼女は一球を使い、攻撃を繰り出す。

その際、今まで無回転だった鉄球はもう一つの異能により、下回転にスピンが加わって速度が増していた。


「さっきより……速いっ!?」

「これが本当の威力よ!」


だが、真向から避けることなく横に良ければ、真っすぐしか飛ばせない球では制御が出来ないだろうから、横ステップで回避する。

そのまま、一歩前に踏み出して接近する。


「くっ、……させるかよ」


接近を阻止しようと、彼女は残りの球を飛ばす。

それを怯むことなく、前に突き進む。

鉄球が知覚で来た瞬間に足元に少量の滑りやすい粘液を生成して、スライディングで避ける。

これで手元に球がなく、無防備の彼女が目の前にいた。


「くらえぇーっ!」

「っ!?」


警棒を前に突き出して、そのまま触手を槍のように伸ばして刺す。

この状況を対処できずに二本の触手に襲われ、ゲージHPが6割が減る。


「調子に乗るなっ!」

「そいやーっ!」

「おわっ!」


回転操作の異能を使い自分自身を回転して、スピンを使った蹴りを出す。

それを前に重心にして、手で蹴りを止める。

そのまま、足をがっちりと掴んで引くと、バランスを崩れた彼女は前に転ぶ。


止めに警棒を触媒にした触手を収縮して、渦巻き状に纏める。


「止めだぁーっ!」


それを解放して、一気に伸ばすと普通に伸ばすよりも威力が増して、一撃で彼女のゲージHPを空にした。

ここで試合終了となり、試合場に審判が入ってくる。


「……勝った。 勝ったぁっ!」

「やるじゃん」


満身創痍の戦いで、そう叫ぶことしか出来なかった。

その後は彼女と握手をして去った。


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あとがき


鉄球を飛ばした後、元に戻す際も高威力なのはズルいですよね。

再登場時の彼女はもっと強くなってそう。


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