第27話 vs サキサキ part2

まえがき


少し淫らの表現がありますので、ご注意を。


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それからの攻防戦は一方的になった。

爪による攻撃が当たる度に、異能を使うに当たって必要な体力が奪われるため徐々に不利になっていく。


爪に対して触手で対抗すると、触手の強度では耐え切れずに切られてしまうため、手にを狙って防御を行う。

それにより、相手の速度に慣れながら最小限のダメージで済む。


「強すぎるでしょ……。 くっ、捌ききれない」

「これが異能レベルの差ぁ 」


このまま負けるにしても、せめて一矢を報いたい。

情けない負け方は煽った側にとって涼香達に顔向けができない。

だけど、この手はあまり使いたくないけど、仕方ないよね。


「涼香ぁーっ! オレはアレをちょーだい!」

「アレ?」


オレは結界外で観戦している涼香に向けて頼み込んだ。

それを聞いて、オレの鞄の中から漁り目当ての物を手に取り、涼香はこちらの方目掛けて投げてくれる。

例の物が結界の中に入り、丁度キャッチしやすい位置に落ちてきた。


「グローブぅ?」

「そう、これはオレの秘密兵器だ」


指先に穴が空いている真っ白なグローブで、手の甲の部分にドーム状の半球体が埋め込まれている。

そのグローブを手に嵌める。


「ぷぷぷー、それを嵌めて、この状況をどう切り抜けるつもりなのぉ~」

「これはただのグローブじゃないさ」

「ん? ――っ!? それは……」

「そう、疑似異能さ」

「何でそんな高価な物が……」

「コネで作ってもらったのさ」

「それ、すごくダサいよっ!?」


いつの間にか中断していた戦闘が再開される。

彼女は再び飛びながら加速をして、鋭い爪で攻撃を繰り出す。

しかし、その攻撃は届かなかった。


「う、動けない……」

「厄介な高速移動を封じさせてもらったよ」


彼女は爪を縦に振り下ろすタイミングで、腕、手と羽が糸のような物に絡まったことで身動きが取れず、床に倒れる。

これは文化祭の芸で生み出した技、粘液糸蜘蛛の糸を生成したときに飛ばして罠を作り出した。

疑似異能――出力強化により、ただ生成されるだけの粘液に力を加えることで飛ばすことが出来るようになった。


「解けない……、なんなのよ、これぇ~」

「強力な粘着性を持った粘液を生成したので」


倒れている彼女に向けて、追撃として糸を一塊ごとに放出する。

それはまるで、某蜘蛛男のように連射をする。

その後は、警棒を触手に変化させて動けない彼女に対して集中砲火を浴びせる。

怒涛の連打により、簡単にゲージを減らしていく。


「くっ、調子に乗るなよ、ビギナー」


彼女は手に力を入れて、唯でさえ30㎝に伸びていた爪をさらに伸ばして、何重に積み重なった粘液の糸を切り裂く。


「なっ!?」


これは予想外だった。

あの状態は形勢逆転が出来ない程に頑丈に固めたのに、あっさりと破られたことにショックを受けた。


「……許さない。 とっておきの技を見せてあげるっ!!」

「何が来る……?」


オレは警戒のために、すぐに糸を放出が出来るように構える。

しかし、無意味だった。


彼女が目力が強く瞳孔が開いたと思ったら、瞳が紫から赤に変化したと思ったらオレの意識が暴走した。

それは、まるで内に秘めた欲望が爆発して、今すぐにでも暴れたいという欲に支配される。


「どう? これが私の切り札」

「あぁ……。 あぁあああああああーっ!!」

「種族特性による魅了チャームに掛かった者は、私に支配される……。 ――むぐっ」


彼女が命令を下す前に暴走したオレは欲望のままに触手が彼女に伸びる。

油断した彼女はそのまま触手に捕まる。

左右の両手に触手が螺旋状に絡んでいき、左の触手は胸部の谷間に、右の触手は口内に侵入して蹂躙する。

涙目になりながら手足を動かして抵抗をしようとするが、離れない様に強く締めている触手に、粘液生成による滑りやすい液体が合わさって浸食していく。


「ごほぉっ、おぉ、や、やめぇ」


右触手の先端が彼女の口内に侵入しているため、言葉が発せることが難しく。

魅了による命令が出来ないので、オレにされるがままだ。


「じゅずぼぼぼっ、 おぇ、りゃ、りゃめぇてぇ」


その痴態は観客全員が目撃して、周りの空気が固まっていた。

周囲は彼女が何をしたのか分からずに、オレが一方的に攻撃をするように見える。


さすがにこの状況が続くのは宜しくないので、審判が止めに入ろうとした瞬間。

結界外から飛んできた水滴が触手を貫通して、凌辱が止まる。


解かれた彼女は足腰に力が入らずに、そのまま床に座る。

オレは未だに暴走が治まっておらず、一歩とずつ彼女に近づいて行こうとしたときに、後ろから豊満で優しい温かさに包まれて正常に意識を取り戻していく。

気が付くと、後ろの感触の元を確認するために、後ろに振り向くと涼香に抱き着かれていた。


この試合は、よく覚えていないけれどオレが勝者となった。


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あとがき


魅了状態になった場合は、使用者の命令に従いますが、命令が来ない場合は理性が吹っ飛ぶので危険な能力です。

しかも、相手が触手+一応女好きなのであんな結果になりました。

利用は計画的に!


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