第25話 三人でハロウィンイベント!
ハロウィンイベント当日。
平日だが、夕方頃から大勢の人で賑わっている。
「今日はゆりっちが先だね。 おまたせ♪」
巫女にコスプレしたオレは、街で行われるハロウィンイベントの会場の入口付近で待っていると、シスター服を着たギャルである縁が声を掛ける。
「目を瞑って待っているゆりっちって様になって見えるね。 まるでクールビューティーな巫女さんだよね」
「あっ、縁。 そのシスター服凄く似合ってるね」
「えへへ、ありがと」
「あともう少しで涼香が着くみたい」
「すずかっちは美人だから来る途中にナンパされてなければいいけど……」
「まぁ涼香なら大丈夫でしょ。 あの子男性に対してはドライだし」
「あははー、だよね」
涼香が来る前に二人で事前にハロウィンイベントのステージでやる項目をスマホで調べる。
「ライブやダンスがあるんだね」
「オレはこれが気になるな」
そこにはそこそこ有名なインフルエンサーによる参加型の異闘の公式イベントがあるらしい。
彼女はシニアクラスで、シニアクラス以下の参加者と戦って勝てば実際に戦績に適用されるみたいだ。
「ほんとだ」
「これって、オレ達からすれば格上の相手と試合できるってことだよね。 ぜひ参加してみたいな!」
「じゃあ、すずかっちと合流したら相談しよっか」
それから数分後、白を基調とした着物を着た雪女姿の涼香と合流した。
彼女がオレ達を見つけると、小走りで向かってきた。
その時の彼女は、着物なのか胸部が大きく揺れていたのは見逃せなかった。
「遅れてごめんねー」
「ううん、大丈夫だよ。 涼香こそ、何か問題なかった? 怪我やナンパされてない?」
「大丈夫だよ、ちょっと着替えるのに手間取ったの」
「それは良かった」
「案外ゆりっちって過保護よね」
「そりゃ大事な友達だからね。 もし縁も一人で遅れてたら心配するよ」
「そっか……、ありがと」
「ゆりちゃんの巫女姿可愛い! 後ろ髪の結び方が本物みたい」
巫女にコスプレをするにあたって、髪型をストレートにせず項(うなじ)辺りでポニーテールに結んでいる。
ヘアゴムの代わりに強度がある和紙を使用して本格的に結んである。
「ということで、ゆりちゃん!」
「ん?」
「トリックオアトリート!」
「そう言うと思って、お菓子持ってきたよ」
「むーっ、こういう時はイタズラされるべき」
「あはは、涼香にイタズラされると何されるか分からないからね」
鞄からビニール袋に閉じてあるクッキーを取り出す。
しかし、手に持った瞬間に隣からクッキーを奪われた。
「これでゆりっちはお菓子あげれないね、にしし」
「じゃあ、ゆりちゃんはイタズラされるしか選択肢ないね」
「ちょっとっ、涼香、縁!」
「ゆりちゃん、いただきまーすっ!」
「ちょっ、涼香。 ここ外だから!」
「激しくしないからっ! くすぐるだけよ」
「いやぁああああー!」
縁による裏切りのせいで、涼香に定番のイタズラをされる。
涼香に捕まり脇腹に指を動かしてくすぐる。
その時に少し卑しい声が漏れたことが恥ずかしい。
じゃれ合いが終わり、3人で飲食の屋台を周る。
祭りの定番である焼きそば、たこ焼き、チキンステーキを購入して腹を膨らませる。
その後は、ゆっくりと林檎飴やチョコバナナといった甘味を買って食べ歩きをする。
「ハロウィンイベントなのに、野菜やカボチャ関係を買ってないよね」
「じゃあ、後でカフェの限定商品のカボチャプリンを買わなければ」
「申し訳ない程度のハロウィン要素ね」
「ただコスプレしてるだけの祭りだからね」
屋台通りを抜けると少し大型のステージが設置されており、現在行われているのはテレビに出演経験のあるバンドが演奏していた。
「この演奏が終われば、異闘のイベントがやるんだって」
「すずかっちが来る前に、二人で見に行こうねって決めてたの」
「そうなの。 ゆりちゃんなら喜びそうね」
「うん。 格上の相手楽しみだなー」
残りの甘味を食べながら次のイベントまで時間を潰す。
◇
長いバンドの演奏が終わり、次は異闘の公式イベントだ。
ステージの上に司会者が立ち、マイクを取る。
『皆さまお待たせしました! これよりサキサキさんによる異闘イベントを開催したいと思います! では、サキサキさんの登場です』
『はいはーい! 皆を魅了しちゃう系インフルエンサーのサキサキです! よろぴく~♪』
「「今日も可愛いよサキサキちゃーんっ!」」
『はーい、今日も応援ありがとー♪』
司会者の案内でステージに上がった彼女は、太陽の様に明るく眩しいキュートな笑みを浮かべ、ファンと思わしき男性達に手を振っている。
彼女は
髪はそこまで長くなく結んだ髪は肩までの長さに保っている。
瞳はアメジストのように濃いのに透き通って、とても綺麗だ。
身長は小学生と見間違える程小さいのに、胸部だけは大人顔負けのサイズ。
つまり、ロリ巨乳という天使だ。
「あの子の胸、デッッッカ」
「たしかに」
「ゆりちゃん、私も大きいよ!」
「知ってるよ。 着物を着てると大きさも強調されてるしね」
オレは一瞬でステージに立つあの子に目を奪われたが、涼香が対抗した時にすぐ目線を涼香に戻したことで不機嫌にならずに済んだ。
『はい。 今回はサキサキさんによる異闘デモンストレーションを行いたいと思います。 彼女は現在シニアクラスで活躍して、エリートクラスにランクアップ候補に挙がる程の実力者です』
『私よりよわよわのみなさ~ん! つよつよな私と戦ってみたいと思う人を募集してまーすぅ!』
「「自信満々のつよつよのサキサキ可愛いよーっ!」」
ステージ周りに集まっている女性たちは、手を挙げることなくベンチに座っている。
どうやら、今のところ参加希望者はいないようだ。
だったら、やるしかない。
『あれぇ、私に挑戦したい方はいないのかなぁ~?』
「はい! 対戦を希望します」
『おぉ! 可愛い子が立候補してくれましたぁ~』
『では、こちらに上がってお名前とクラスをお願いします』
『はい、蛇谷優里香と申します。 まだビギナークラスの異能レベル2です』
『ありがとうございます。 意気込みとかありますか?』
『そうですね……。 まだ異闘にデビューしたばかりで、格上の相手に胸を借りれる体験は少ないので勝つつもりで全力で挑みたいと思います!』
『すっごい、熱意ありがとね~。 試合を盛り上がるように頑張るねぇ~』
司会者にマイクを渡して、バッグから二本の警棒を取り出す。
彼女は笑顔のまま武器を取り出さずに拳を構えている。
司会者がステージを降りて、疑似異能の結界を起動して周囲に膜を張る。
「さてさて、ビギナーのよわよわさんにどうやって手加減しようかなぁ~」
「オレ的には全力で相手してもらいたいですけどね」
「あはは、無理無理。 試合始まった途端に瞬殺だよ? これはショーなんだから、ステージを盛り上げないとね。 だから、私はす~っごく手加減してあげるね♪」
「むむっ、なら遠慮なく全力でいきますっ!」
そして、試合が始まる。
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あとがき
新キャラ登場です!
ロリ巨乳ですが、主人公より2年上のJKです。
基本的に煽るタイプのメスガキがコンセプトな子です。
作者のモチベの向上のため、「♡」、「★」と応援コメントを気軽にお願いしますm(_ _)m
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