第22話 触手のパフォーマンス

5万文字を超えた記念にキャラの設定を載せました!

ぜひ、見ていってください!


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文化祭で何を披露するか考え中だ。

ただ、異能を発動するだけではショーとしては成り立たない。

もし異能が筋力強化なら殻割といったアピールが必要だ。


「さて何をするか……」

「ゆりちゃんの異能は魅せるのに不向きだからね」


涼香は当然のように隣から椅子を借りて、座っている。

今は2限目で、本日は連続でLHRロングホームルームがある日だ。

この時間の女子達は披露する内容を決めている。


「そういう涼香はどう?」

「私はすでに決まってるよ? だって、水芸しか出来ないし」

「それもそうか」

「やっぱりゆりちゃんは、あのウネウネを使うの?」

「それしかないからね……」

「ゆりちゃんのあれって、操作性が上手だから色んなことが出来そうだから、逆に何をするか悩みそう……」

「伊達に毎日練習をしているからね、今では手足のように扱えるさ」

「さすが、ゆりちゃん! 毎日惜しまず努力する姿勢カッコイイよ!」

「だろ! 涼香は今日も秘境の滝みたいな美しさで綺麗だよ」

「……っ!? まったくもう、ゆりちゃんは……」


触手の操作に関しては自信がある。

それを活用する一芸となると、まだ思い浮かばない。


「縁にも聞いてみようかな」


先程から妄想世界でスリップしている涼香を置いて、席を立ち縁がいるところへ向かう。

縁は教室で異能を発動しており、可愛い猫耳が頭に生えていた。

オレが近づいてくると、閉じていた目を開けてこちらに視線を向けてくる。


「縁、今忙しかった?」

「いや、全然忙しくなかったよ。 どしたん、ゆりっち」

「出し物の一芸について、ほかの人は何やるのかなと思って相談しにきたの」

「なるほどね。 ウチに聞いていいの? まずはすずかっちに相談したら?」

「一応相談して、あの触手を使うつもりだけど、何をやるかはまだ具体案がないよ」

「なる。 でも、ウチの芸見ても参考にならないかもしれないよ」

「でも、ヒントにはなるでしょ」

「じゃあ見てて、プロトタイプの芸を」


すると、縁は水が少し入っているペットボトルを3つ机の上に出す。

それを持って、両手を使ってジャグリングをする。


「さすがの猫目、どんな視界を見ているのか」

「ジャグリングなんて初めて触れたけど、異能を発動すればこの通り、すぐに慣れたよ」


ペットボトルを使った三本のジャグリングはすでに見惚れるレベルまでに、自然に回している。

それを可能にしているのは、縁が異能を発動していることによって、猫の目で周りを映し出すのでジャグリングによって動いているペットボトルを捕捉するのは容易いからだ。


「すげー、ジャグリングも凄いけど、皆がパフォーマンスを何やるか悩んでいる中でこれをすぐに思いつく程に異能に理解してるの凄いよ」

「今日は褒めるねぇ」


そう言って、両手で回したペットボトルを置く。


「どう何かヒントは得た?」

「何となくだけど、オレもそういったパフォーマンスの方向で行こうと思うよ」

「うん、方向性が決まったなら大丈夫かな。 ゆりっち、頑張ってね」


自分の席に戻ると、まだ涼香は妄想から抜け出せていなかったので、そのまま放置する。

触手の操作を活かしつつ、道具を使って場を盛り上げるには――。


「ディアボロをやってみるか」


ディアボロは、路上パフォーマンスでポピュラーな芸だ。

紐で繋がっている2本のスティックとお椀を2つ合わせたようなコマを使用して、コマをアクロバティックに空中高く放り上げて紐でキャッチしたり、音楽に合わせて様々な動きを披露するものだ。

スティックを触手を使い、紐は出来れば粘液で生成した物を扱いたい。

紐に関しては粘液で代用が出来なかったら場合、だたの紐で行うつもりだ。


やることは決まったので、この時間で出来る限り練習をしてみる。


「案外、二本の触手を均等な長さに調整するのって、すごく難しいな……。 これは操作よりも精密性が求められるっ……!?」


こうして、文化祭に向けて練習の日々が始まった。


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あとがき


異能バトル以外で使う異能って何だか新鮮。


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