第21話 文化祭に向けて
5万文字を超えた記念にキャラの設定を載せました!
ぜひ、見ていってください!
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翌日。
異能レベルが2に上がったことで、身体能力が以前より上がってることに昨日の修練で気づいた。
特に体力が大きく向上して、次に筋力が少し向上した。
これは、異能レベルが1のころが鍛えたところがレベルアップの影響で強化されたってこと?
「と、思うんだけど、どう思う?」
「私はレベル上がった時は足の速さ、というか俊敏性?でいいのかな。 それが上がったと思うよ」
「やっぱり、異能レべルが上がると異能だけじゃなく身体的に強くなるのね」
教室で涼香と話をしていると、縁が登校してきた。
縁がオレ達を見つけると、一直線にこちらへ向かってくる。
「聞いたよ、ゆりっち、すずかっち! 試合で勝って、異能レベルが上がったって!」
嬉しそうに笑顔でありながら、興奮しているのか机を叩いて聞いてくる。
「ちょっと縁、もう少し声下げて。 周りが注目しちゃう」
「あっ、ごめん。 でも、昨日チャットでは報告だけだったから、気になっちゃって」
「まぁ昨日は、スマホで返す余裕なかったし」
「そうね」
「それで大会はどうだった? やっぱり強者しかいなかった?」
「だね。 最初の相手はかなり強かったよ、結構相性が悪い感じだったけどなんとか勝ったよ」
「私も初戦の相手は凄く強かったよ」
「試合後は気絶するぐらいの死闘だったみたいだしね」
「そうね、そのおかげで私の異能の戦い方が定まった感じだね」
「ゆりっちとすずかっちが大人に見える……。 ウチも参加すればよかったのかな……?」
「いつもの組手と違って、成績反映されると思うと一試合ごと本気になるから、それがいい経験になったから、縁も参加すればいいと思うよ」
「縁ちゃんは異能による攻撃手段がないから、参加を躊躇うのは分かるけど、そういう時は武器を変えればいいのよ」
「たしかに。 木刀やメリケンサックといったものでも、身体変化系以外は通用しそうだよね」
「実際、大会に出て参加者を見てきたけど縁ちゃんの異能でも十分に試合は通じるくらいの選手が多かったよ。 例外はいるけど……」
「二人共、初戦の相手は無敗の選手だったし、二試合目以降は一気にハードルが下がった印象がある」
「なるほどね。 よし決めた! ウチは来週の大会に出るよ!」
「じゃあ、一緒に大会に出るか」
「私も来週の予定はないから、出れるよ」
「決まりだな。 稽古をより一層がんばらないと」
「うん!」
丁度いいタイミングでチャイムはなり、HRが始まる。
いつも通りに担任は教壇に立つ。
「えーっと、来月に文化祭が開催しますので、本日のLHRでクラスで何をやるのか決めてもらいます」
この発言後にクラス中がざわつき始めた。
中学生活で最後の文化祭なため、皆のテンションが有頂天だ。
この時期だと、異能を目覚めたばかりなので、異能を使用した出し物が定番らしい。
異能を使ってみたい女子と身近で異能を見てみたい男子が意気投合のだ。
◇
そして、LHRの時間。
学級委員長が仕切って、副委員長が黒板に生徒達の案を書きだす。
今出てる案は、定番の喫茶店や展示会が挙がっている。
「はい! やはり例年通りに異能を使用したモノがいいと思います!」
「賛成~」
「いいと思う」
クラスメイトの女子が手を上げて、案を出す。
それを周りの男子や女子が賛成する。
「分かりますが、具体案は……?」
「う~ん」
「去年みたいに自身の異能を研究したレポートを展示する、展示会ですか?」
クラス委員長がその案を聞いて提案者に質問するが、何をやるのか定まっておらず少しの間クラスが静寂する。
その空気を堪え兼ねて例を提示する。
オレ的には他の人の異能を見れることが楽しそうに思うが、レポートを書くのが面倒。
このままでは、多数決で決めそうなので、オレも案を出すことにする。
「はい! だったら、異能を見せるショーをすればいいんじゃない?」
「ショー、ですか?」
「ファッションショーみたいに、一人ずつステージに立って異能を使った芸をすれば盛り上がるんじゃない?」
「おぉ!」
「これは名案」
「それありー!」
オレ的には、レポート出したくないのと文化祭当日の拘束時間を理由にショーを提案したことが、クラスメイトの多数にウケたらしい。
肯定意見が多く、反対意見が出なかった。
「どうやら好評なので、異能ショーで決めていきましょう。 次に、当日までの具体的の役割を決めていきましょう」
ここで涼香が手を挙げる。
「女子はまだ扱いきれていないであろう異能を見せるので練習時間やリハーサルをするので、男性は当日はショーの運営、司会の班に分けるのはどうでしょうか?」
「さすが、水上さん。 もう頭に思い浮かべているのですね……」
涼香はオレのテキトウな案を確実にするために、瞬時に具体的な意見を述べてフォローされた。
「やはり涼香もそう思ってたか」
「当たり前でしょ、ゆりちゃんとは以心伝心だもの」
「ん?」
以心伝心とは?
一方的に心を読んでるのを、以心伝心とは言わないぞ。
相思相愛なら通じると思うが。
「はいはい! 男子のことは決まったし、女子はショーの順番はくじ引きで決めた方がよくない?」
「いいかも」
「ありだと思いまーす!」
「そうですね。 女子に関しては公平でいい案だと思いますが、まだ男子は何も決まってませんよ……」
縁もこの波に乗り、自分の意見を示す。
どうやら、このクラスは男性のことを軽視している節がある。
可哀想に。
それからは、男子はそれぞれで集まり、司会進行班、運営班と外装班の三つに割り振れていく。
女子達は、すぐに番号が記された紙を用意してくじで決める。
結果として、オレが引いた数字は6という微妙の数字だった。
縁は11番、涼香は5番のくじを引く。
涼香に関しては、意図的に数字を狙ったようにしか見えない。
「やった、ゆりちゃんの前だね。 終わったら、すぐにゆりちゃんの芸が見れるね」
「オレの前座にならないように、テキトウにやらないようにね」
「それはそれでいいと私は思うけど……」
「じゃあ、オレにカッコイイ姿を見せて」
「任せて! 私がお客さんの視線を全て奪うほどの芸を見せてあげる!」
「それって、ただの前座なのでは……?」
会話を聞いていた縁は最後に鋭いツッコミをするのであった。
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あとがき
中学生のころ文化祭自体がなく、音楽系のイベントだったので他の地域は高校のような文化祭を行ってたのでしょうか?
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