第4話

 一人の船員がアーフゼロの艦長の前に立つ。


「報告します」

「うむ」

「先日見つけたジェイクを名乗る人物ですが、その遺伝子の構成から未知の生物であることが分かりました」

「ほぉ? 未知の生物」

「はい。惑星パラザの原生生物ではないかと思われます」

「それにしては本人に自覚がないというのは、おかしな話だな?」

「おそらくですが、知的生命体への擬態に完全に適応出来ていないのではないかとのことです」

「なるほど。それで? どの時点でこの生物はが発生したのかは分かったか?」

「二日目の食事の際に発生した可能性があるとのことです。二日目の会話の音声記録から口の中を切ったと報告がありましたから。そこで発生した可能性が……」

「そうか。記憶まで擬態できるとは恐ろしい生物だな」

「……はい」

「あぁ、そうだ。船員の遺伝子検査を徹底しておけよ。念の為にな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

遭難 新川キナ @arakawa-kina

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ