マッチングアプリで知り合った男 2
山崎から受けとった依頼内容を確認しながら、自分のパソコンに活動開始日を打ち込んでいく。
澤村の所属する『デートクリエイト』は、恋愛業界の中では珍しくはない。
勇気を出して好きな人を誘った女の子、男の子が何をしたらいいのか分からないとデートプランを立てるのをお願いするのが、『デートクリエイト』だ。
ただし、澤村の会社では『デートクリエイト』と平行して、相手の素性を見極め、本当にその人が依頼人に合うのかを調べる探偵業もしている。
今回の依頼は『デートクリエイト』はおまけで、その探偵業の方がメインである。
「山崎さん、ちょっと出てきます」
「もう行けるの? さすが、優秀だねー」
山崎は澤村の外出時間だけを書き取ると、澤村に恋愛業界許可証を投げて渡した。
カード型になっているそれは、澤村が相手の素性を調べる上でなくてはならないものである。
「行ってらっしゃい」
「早く終わんないと先に帰りますからね」
「沢北はどの道帰れないから」
山崎はそう言って微笑むと、沢北が焦ったように手を動かし始めた。
「行ってきます」
入口付近にかけてあった茶色い鞄を肩にかけて部屋から出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます