第11話 情報収集 対象『佐倉神社』
佐倉神社公式サイトは一見普通のサイトだった。
まぁ俺もなんだかんだオカルト好きとして複数の神社公式サイトにアクセスした事があるが、交通情報、歴史、祭りについて、など他と同じようなカテゴリになっている。
「さて、今回重要そうになってくるカテゴリは歴史かな?」
今回の件で気になっている事について知るには祭神の歴史を知るのがベストだろうとクリックする。
歴史のカテゴリには祭神の歴史も入っており即座にクリックする。
ここには当たり前ながら祭神の歴史が書いてあったのだが一つ意外な情報が手に入った。
どうも佐倉神社の神は元から神だったのではなく、人から神になった人らしい。
有名どころだと前者が天照大神で後者が菅原道真公あたりだろうか?少なくとも有名どころの神でなく土着信仰の類の神である事が分かった。
無論俺が知らない神と言うだけの可能性もあるが、まぁこれでオカルト部の一員になる前に色々とサイトを見て回ったこの俺が知らないならまぁマイナー神の類だろう。
歴史的にはこの様な事があったらしい。
まず、江戸時代あたりで佐倉村を飢餓が襲った。
そこに1人の男が現れ住ませてほしいと頼む。
村人達は自らが食べる分も無いため当然断る。
が男は自ら奇跡を起こし、村を飢餓から救い、その上で村人達を導き村を大いに発展させ最終的に村長の娘と結婚したと言う。
しかし、人である以上死は避けられない事である。
男が死んだのち村人達は男を神として祭り上げる事でこれからも村を導き力を貸してほしいと願い神社を作った。これが『佐倉神社』の成り立ちである。
この様な経緯の神であるため、主な御利益は豊穣と開運招福である。
開運招福の御利益により、人々をより良い方向へと導くことから、名前に道の一文字が入っているんだとか
まぁだが、恐らくは嘘だ。
先輩達の話しや体験談なんかを聞くと、公式な記録程当てにならない物も無い、と言えるだろう。
何故なら公式の記録は良く歪められるからだ。勝てば官軍とは良く言った物で日本史の転換点である大政奉還直前の薩長同盟組だって失敗すれば反乱軍か逆賊扱いだったろう。
「記録はあくまで勝者の物、そこに事実などありはしない。だから私達は記録の中の僅かな事実を探してオカルト対策に役立てるの」
とは七瀬先輩の談である。
とは言え今のままでは公式情報かネットの奥底にある様な嘘か誠かもわからない様な情報しか無いため、現地調査と情報の擦り合わせが必要になる訳だ。
「まぁ今の俺のネットレベルじゃあこんくらいが限度かな?」
と言いつつも情報探しは辞めない、今までの趣味検索では無く命がかかっている事だからだ。
強制された事でも無いのにオカルトに命を賭けるなんて間違ってる。もっと命を大切にしろ。
最もなご意見である。が、そうじゃ無い、一度オカルトを知り、出会ってしまった体と脳はもうこの未知の世界を知らないでいる事を許さない、例え命尽き果てようとも俺はオカルトを知る者である。
多分他の先輩方も似た様な物だろう、俺達は普通じゃ無いのかもしれない、だからこんな命懸けでも突っ込んでいける。
がそれでもそこで死んで次のオカルトに出会えなかったら勿体無いじゃ無いか、
そうして俺は情報共有の日までネットサーフィンを続けるのであった。
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