第10話 情報収集 対象『佐倉村』

 あの後、解散した俺達は電車に乗りそれぞれの最寄駅で降りては帰宅して行った。


 打ち上げの最後に決まった事は取り敢えず情報収集である。

 まぁいくらうちの部に優秀な道具が多くあっても情報が無ければどうしようもないって訳だ。


 無事家に着いた後は「部活どうだった〜?」と言う母親との軽い問答をしながら入浴と食事を済ませる。

 ここからが本番だ。


「っし、やるか!」

 俺は自室のパソコンの電源を入れつつ気合いを入れる。


 元々俺はネットの海に潜って情報収集していたのだから、これくらいは手慣れた物とばかりにいつものホラーサイトに飛ぶ、このサイトは基本的にネットの掲示板にあった話をコピーして登録、またはアカウント登録者が実体験を投稿しそれらを別の人が読める、更に探しやすいように検索機能が付いている優れものである。


「まずは『佐倉村』でワード検索…ハズレ、んじゃ『佐倉奉納祭』について…も無しか、まぁネットにゃ無い可能性もあるか…、まぁ一応ラストに『佐倉神社』で検索…ビンゴだ」


 その検索結果に表示されたのはたった一件だが何よりも重要そうな内容である。

 簡潔に纏めるとこんな感じだ。


【佐倉神社の名無し村】 

 投稿者 佐倉村で育った匿名G


 これは俺の体験した話なんだがな、佐倉神社っていうごく一般的な神社があるんだが、この裏にある洞窟は本来は神事の関係者以外立ち入り禁止なんだが、いつだったかガキの頃こっそり潜入した事があったんだ。


 洞窟はなんて事無かったんだが抜けた先が変だった。そもそも本来出口なんてない筈なのにだ。神社にある洞窟から大体1キロメートルくらい歩いたところに洞窟なんてない筈なのに、そこらへんで地上に出たんだ。


 そこは佐倉村とは似ても似つかなかった所で江戸時代くらいかな?の村みたいだったんだ。


 結局俺は怖くなって逃げ出したんだが…人の好奇心ってのは怖いもんで一年後にまた洞窟に潜入したんだが、その時はすぐに行き止まりになったたんだ…


 俺が見た村はなんだったのだろう…


 と言ったような内容だった。


「この謎の村は十中八九先輩達が言ってた『異界化』だろうな、そう考えれば消えるのも納得できる。謎のキーはその村にありそうだ。がそうなってくると神社とその『異界化』持ちの怪異の間で疑問点があるな」


 俺の疑問点は主にこうである。


 1.怪異は神社の神なのかはたまた神に封印されたナニカなのか


 2.何故『異界化』の世界が江戸時代くらいの村なのか


「まぁ悩んでもしょうがないしひとまず怪異の正体は神社の神として前提を進めよう」


 俺はGo⚪︎gleの検索欄に『佐倉神社 祭神』

 と打って検索すると『佐倉神社公式』と言うサイトを見つける事ができた。


「よし、これでまた何か分かれば良いが…」

 そう言いながら俺はサイトに飛ぶのであった。

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