第一章 オカルト部の祭り
プロローグ 闇夜の少女
その少女は村の中を走っていた。
「皆んなこんなの絶対おかしいよっ!」
(酒屋のおっちゃんも、警察のお兄さんも、食堂のおばちゃんも凄い怖かった。お父さんとお母さんもなぜか泣いてるだけで助けてくれないし…)
何故こんな事になったのか…
少女は元凶となったあの瞬間に思いを巡らす。
今朝、少女が学校に向かおうとした時少女は村人に連れ去られる事になった。
皆が言うのは揃って村のため、そうして彼女は佐倉神社の奥にある洞窟内に連れ込まれた筈だった…
が、しかし彼女が居たのは江戸時代の農村のような村だった。
これはおかしい、佐倉村は村と言ったって普通にコンクリート舗装された道路だったし、そもそもこんな茅葺き屋根の木造建築ではなくれっきとした現代の家ばかりだった。
かれこれ生まれてから十数年この村で生きてきて立ち入り禁止の場所以外、村の全ての場所を見てきた筈の彼女だったが、こんな場所はこの村には無い筈だったし、そもそも洞窟内にこんなスペースは無い筈だ。太陽があるのもおかしい
だが、周囲の村人はそうは思わないようで
「こここそが聖地じゃ!」とか「やはり聖地に来ると力が漲ってくるぜ!」などと感動していて、腕を掴む力が弱くなっている。
今ならまだ逃げ出せるかも知れない…
そう思った彼女は腕を掴んでいた宿屋のおばさんの手を振り解いて逃げ出した。
「なんで!?どうして洞窟の出口が無いの?!」
しかし現実は残酷で、彼女が入った洞窟は入り口が無くなっていた。
正確には入ってきた方に出れず、何度いっても怪しい村の方に戻ってしまうのだ。
「コラ!
(『生け贄』聞いた事ある言葉だ…意味までは分からないけどとっても怖い事…逃げなきゃ! でも洞窟からは逃げられない…なら怪しいけど村で逃げ切るしか無い!)
そうして彼女は村へと走り出したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます