第4話 浮世離れのオカルト部
階段はしっかり整備されていたのだが地下と言う事もあって、なかなかのジメジメ具合に加え、秘密だからか明かりも最低限だった。そんな階段を降りていくとエレベーターがあった。
「へっ?何でこんな所にエレベーターが?」
「あぁこれもうちで増設したの」
「一体何処にそんな資金と技術者がいるんですか全く…」
「坂田君が全部作ったんだよ!彼は天才だからね!基本的にこのオカルト部の装備は全部彼とここにいる絢音ちゃんが作ってるから!」
「マジすか…」
あんな経験をした後だからもう驚く事は無いだろうと思っていたがそれは甘かったようだ。
「マジだよマジ〜、基本的に坂田君が開発してそれを絢音ちゃんが量産してみんなに渡してるの〜」
そこでエレベーターが到着する。
「まぁ詳しい話は下でやろっか」
そこで本郷先輩が話しかけてくる。
「下を見るのを楽しみにしててね、子供の秘密基地の領域を軽く超えてるから」
何の事かさっぱり分からなかったが、エレベーターが下に着いた瞬間俺は嫌でもこの部の異常性を再認識させられた。
「なっなんだよ…これ…」
俺の目の前に広がっていたのは近未来の基地と言われても納得できる物だった。
「へへ〜驚いた〜?」
「驚いたに決まってるでしょ!?本当にどっから費用出てるんですかねぇ!コレ!」
「まぁまぁ翔島君、そこら辺も含めてミーティングルームで話がある筈だからさ?一旦落ち着いて」
「まっまぁ?無茶苦茶不本意ながら一度納得しましょう。このオカルト部がおかしい事はある程度理解しましたし?ですが!流石にミーティングルームでしっかりと説明して貰いますから!」
「まぁそれはこっちもそのつもりだからさ、さっさとミーティングルーム行くわよ〜!」
俺達は連れ立ってミーティングルームへと移動して行く。
「装備保管庫に開発室にロッカールームや休憩室、果てには模擬戦場にキッチンに田畑とか、本当に何を目指したんですか?」
「まぁ詰め込める機能は全部詰めとけ?みたいな」
「休憩室と開発室はお世話になってるよ〜」
何て会話をしているとミーティングルームと書かれたプレートのある部屋に到着する。
「遅〜い待ってたよ〜」
とさも平然のように桜先輩が話しかけてくる。
「それじゃあこの部屋について説明するね?」
七瀬先輩にミーティングルームの説明をされる。
結論から言おう、この部屋もヤバかった。
学校や会社で見るような長机の並んだ会議室の用で、中心にはゲームとかアニメでしか見た事ないようなホログラムを出せる装置がある。
「まぁそこの席に座ってね?」
俺は一番末席に座る
「それじゃあこの部について色々話すね?」
少し長かったので要約するとこう言う事だ。
まずこの部屋は一年で作り上げたと言う事
オカルト部は去年設立したと言う事。
建設費や活動費は、坂田先輩が作った発明品の幾つかをオカルト部名義で特許を取り、そこから賄っていると言う事。
桜先輩は過去の調査時に事故で亡くなった事。
ここにある物は全て坂田先輩と松本先輩のお手製であると言う事と、この2人は紛れも無い天才である事。
「とまぁここまでは分かった?」
「まぁ一応納得しました。」
「それではココからがある意味本番、我らがオカルト部の裏活動について話しましょうか」
「裏活動って何でしょうか?」
「まぁまずはこのファイルを見て?」
と言って投げ渡された青いファイルにさっくり目を通す、そこには『スポットファイル8 牛町神社』や『呪物ファイル2藁人形』、『怪異ファイル6おおまち様』など随分と物騒なワードが並んでいる。
俺はファイルを置き尋ねる。
「何ですかこのファイル?」
すると七瀬先輩は語り出す。
「私達が今まで出会ったオカルト達の記録書、要は私達の活動記録だね!」
「はっ?!はぁ」
「私達は幽霊とかをこの可視化装置で見る事ができるし、物理的対抗手段もある。そして何よりオカルトが好き!と、言うわけで私達は人に危害を与えるオカルトを倒したり、オカルトの影響を受けた物件を無力化したり、オカルトが関わっている事件や物件の調査をしているの、コレこそが我らがオカルト部の裏なのよ!」
「分かりました。どうせ変える気も無かったんでとことん付き合おうと思います。」
「おぉ!遂にうちにも一年が来たね!じゃあみんな!一年の同意も得られた所で今やっている案件である、『スポットファイル11東上水廃病院』無力化and『怪異ファイル9徘徊する医院長』の抹消の為のブリーフィングとミーティングを始めるわよ!」
こうして俺はオカルト部としての初の活動に乗り出すのだった。
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