第8話

 仕事が終わった初めての夜。僕は夢を見た。最近よく見る夢だ。僕はいつも1人でどこかに立っている。あたりには灯りがほとんどない。そして、いつの間にか誰かが僕の前に立っている。表情はわからないが、口元が笑っているのだけは見える。直感的に見てはいけない、という思いが全身を駆け巡る。やばい、逃げなきゃ。それなのに体は言うことを聞かない。それどころか反対に目を合わせようとする。冷や汗が止まらない。瞬きもできない。どうしよう。やばい。目が合

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ...

僕は寸でのところで目を覚ました。そして、夢であることを確認すると、寝返りをして、またそのまま寝てしまった。

(これは急がないといけないかもな。)

うっすらと片目を開けてその様子を見ていたハチはそう思った。

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