第5話

 翌朝、いつものように起きて学校に登校した。どうやらハチは、ほとんど寝ているようだ。ただ、いつも僕の中にはいるので何だか変な感じがした。

「おい、あの子が今日の仕事の子だ。」

急にハチが言い出すので僕は少し焦った。友達と話している最中だったからだ。僕は一旦、その場を離れた。

「ハチ、友達といる時に話すのはやめて欲しい。教えてくれたら、離れたところに行くからさ。」

ハチはちらっとこっちを見て、渋々、

「わかったよ。」

と言った。

「それで、どの子?ていうか、僕のクラスの子?」

「そうだよ。あの一つ結びをしてる子。ほら、今席を立った。」

それは僕らのクラスの学級委員長のカヨだった。カヨは勉強や運動がずば抜けてできるわけではなく、明るくて、人当たりが良いため、人望で学級委員長に選ばれた子だ。

「それで、どうすればいいの?」

ハチに聞くと、

「今はどうしようもない。“仕事”は夜しかできないからな。」

そう言ってまた、寝てしまった。

 僕はその日、カヨを観察してみることにした。特に何かあるようには見えない。いつものように友達と話しているように見えた。...わかるわけないか。僕は諦めて夜を待つことにした。

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