第29話 そうだ。ココロ君様に聞こう。
29 そうだ。ココロ君様に聞こう。
佐藤は悩みを抱えていた。
誰にも相談出来ないでいたが、松井部長にならアドバイスが貰えるかも・・・と思いつつ、連絡を入れた。
「佐藤さん、お久しぶりですね。」松井はアルカイックスマイルを浮かべている。
***
「・・・成る程。要約すれば、自然な形で桜田社長をお父様に紹介したいって事でしょうか?」
「・・・そうです。」少し照れながら答える。
「普通に言うのでは、ダメなのですか?」
「父が恋人を紹介しろって五月蠅いから・・・良いかな?って。」
「父には、売り言葉に買い言葉であんな風に言ったけど、私と桜田って恋人同士なのかな?」
何時になく気弱な佐藤さんだなぁと思ながら、
「私も色々と作戦を考えてみます。取り敢えず今日は、楽しく飲みましょう。」
そう言って信頼に値する声で笑みを浮かべてくれた。
「そうですね。せっかく松井様が、時間を割いて下さったのだから。」
***
「もしもし、小林さん?松井です。・・・迎えを頼めないでしょうか。佐藤さんが酔っ払って、寝てしまって・・・」
***
「・・・と言う訳なんだけど。」松井が小林に説明をした。
松井は決して口の軽い人間ではない。小林さんは、佐藤さんの状況を悪くしたりはしないと確信をして打ち明けたのだ。・・・(勘だけど)・・・
「成る程・・・それなら私に妙案が。美作君や私、松井様も御一緒に皆で佐藤宅に押しかけるってのは、どうです?」」
「ふふっ、それ良いですね。」やはり小林さんは頼りになるなぁと思う。
「じゃ、この方向でスケジュールの調整を致します。」小林は不敵な笑みを浮かべた。
「何だか、楽しい事になりそうですね。」
「宜しくお願い致します。」
2人はガッツリと握手を交わした。
***
「カケル君、帰りますよ。」
「コバちゃん・・・迎えに来てくれたの?」
「そうですよ。さぁ、ココロ君様にお礼を言って?」
「う~ん・・ココロ君様、ありが・・・」お礼を言い切れずに再び寝落ちした。
「じゃぁ小林さん、お願いします。後日連絡しますね。」
「承知致しました。では・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます