第21話 桜田の妄想

21 桜田の妄想


今、隣で寝息をたてている私の一番い愛おしい人・・・

世の中に、こんな感情が人の数だけ溢れているなんて・・・私は知らなかった。


今までの私は、機能性が第一。理路整然と感情薄く過ごしていた。


昨夜の佐藤は、戸惑いながらも私の気持ちに応えてくれ様とした。


佐藤を・・・小さな箱庭に閉じ込めて、私だけが愛でれる様に・・・

琥珀の中に閉じ込めて、永遠の愛の時間を止めてしまう様に・・・


でも、それでは意味が無い。

自由奔放で高飛車。突飛ない行動で私を釘付けにする。そんな佐藤が消えてしまう。

・・・どうすれば。


隣で寝ている佐藤と、今は顔を合わすのは恥ずかしい。

私は幸せ一杯だ・・・けど、佐藤は後悔しないのか?

私は佐藤を渇望した・・・が、佐藤の思いは?


愛している・・・カケル。


「桜田様・・・独り言をナレーション口調で語るのを、止めて頂けませんか?」


「あっ・・・おはよう、佐藤。このタイミングで桜田様って・・・(笑)

 今日は午後から、松井部長が来るよ。」


「忘れてた。(笑)でも準備は、コバちゃんと美作君がしてくれるから。」


「そだね~。」


「佐藤・・・愛してるよ。」・・・そして2人の愛は永遠に続く・・・


「だから、そのナレーション口調は止めて!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る