第20話 夜更け
20 夜更け
最近・・・気が付けば、桜田様の事ばかり考えている。
執事として・・・常に手を抜く事を考えている、この私が・・・自分の中の何かが変わっていく気がする。
***
「佐藤・・・」佐藤が椅子に座って、転た寝をしている様子だ。
チャンスかも!・・・桜田は、静かに近寄って佐藤にキスをした。
『・・・んんっ・・』佐藤の甘い声が漏れた。
『おっ・・・微かに反応したぞ。ご馳走様。』と心の中で呟いた。
「佐藤、佐藤起きて。こんな所で寝たら、風邪を引くよ?!」
「えっ?!起きてますよ。私、寝てませんし。」
「それって、誰得の嘘なの?(笑)」
「嘘じゃありません。寝てないですし・・・」
「じゃぁ、さっき・・・私は佐藤に何をしたか分る?」
「何かしたんですか?」
「えっ・・・と、何もしてないよ。」
「じゃぁ私は、何を答えれば良いんですか?」佐藤は少し、笑いのツボに入っている。
「何も答えなくても良いです。」・・・桜田は、少し困り顔でそう言った。
「そんな事より、相談に乗って下さいな。」桜田は甘えた声で話題を切り替えた。
「何ですか?」笑いのツボから、脱出した佐藤が聞いた。
「松井部長を、家呑みに招待した。一緒にプランを立てて欲しい。」
「えらく乗り気ですね。・・・ヤキモチ妬く癖に。」
「佐藤・・・少し歯に衣を着せなさい。」苦笑いをする。
「私は松井部長に感謝をしているんだ。・・・佐藤の大切さに気付かせてくれたから。だから佐藤と出会って、初めて体験をする色々な感情を松井部長にも教えてあげたい。松井部長も・・・多分知らない事だろうから。佐藤の事は、譲れない。でも・・・幸せは分けてあげたい・・・そんな気分。」
「桜田様のお心のままに。ですが、プランは無用です。」
「えっと・・・何でかな?」
「準備をコバちゃんと、美作君にお願いをしたら後は自然体が一番です。」
「自然体じゃない事がある。・・・私は今、佐藤の身体を触りまくりたい・・・が、我慢している。」
「さっき寝込みを襲って、キスしたじゃん。」
「きっ・・気付いてたの?・・・佐藤は私の事をどう思っている?まったく受け入れられない?それとも、少しは期待しても良いの?」
「私、恋愛経験値がゼロなので・・・どう対応すれば良いのか・・・」
「私だって、そうだ。・・・佐藤、こっちへ。」
***
そして、くすぐったりの佐藤とのキャッキャウフフを楽しみながら2人眠りについた。
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