第19話 ご招待
19 ご招待
最近桜田様は、何かを気に掛けているご様子。
問いかけても、教えては下さらない。私では力になれないのだろうか?
***
「今日は、松井部長と会う予定がある。」
「あの日以来で御座いますね。」
「あぁ・・・私がヤキモチを妬かないで良いように、対応を頼む。」
「承知致しました。」
朝から・・・仕事の話だか、何なんだか・・・
「お待ちして居りました、松井様。こちらへ・・・」松井を迎え入れた佐藤が畏まる。
「お久しぶりです佐藤さん。お元気でしたか?」松井は屈託の無い笑顔で笑う。
「はい。有り難う御座います。松井様もご健勝の様子で何よりです。」
「佐藤さん、そんなに構えなくても・・・警戒しなくても大丈夫です(笑)今はまだ、佐藤さんを困らせるような事は言いません。佐藤さんを口説くのは、もっと良い男になってからです。」
「大人の良い男は、私の事を困らせたりしません。」
「あっ、狡いなぁ。その受け流し。私にもワンチャンスを下さいよ。玉砕覚悟しますから。」
「桜田様、松井様がお見えになりました。」
「では松井様、その日が来る事を楽しみにお待ちして居ります。」
「それでは失礼致します。」と言って、桜田・松井と少し離れた所で待機した。
「お久しぶりです、松井部長。楽しそうですね、佐藤と何の話を?」
「私が、大人の良い男に成長したら佐藤さんにリトライする許可を頂きました。」
「桜田社長も、ご同意下さいますよね。」
「・・・特別ですよ。1回きり、許可します。」
「ちょっと失礼します。」と言って、少し離れている佐藤を呼んだ。
2人でヒソヒソと会話をする。
「佐藤・・・今度、松井部長を家呑みにお誘いしようと思うんだけど大丈夫かな?小林と美作に確認をとってくれると、有り難い。」小声で佐藤に言った。
「承知致しました。」と言って佐藤は退室する。
桜田と松井は商談に移る。
***
話が終わる頃に佐藤が部屋に戻ってきて、桜田に小声で耳打ちをした。
「小林が、『何時でも御準備出来ます。』との事です。」と告げた。
返事を聞いた桜田は、少し笑みを含んで
「松井部長、今度・・・大人じゃない飲み会にいらっしゃいませんか?執事・料理長、込込のお上品ではない飲み会です・・・。」
と言って松井を招待した。
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