第9話 飲み会
9 飲み会
「翔様。お待ちしておりました~。沢山食べて下さいね~。」
美作が少し甘い声で笑う。
「今日はお誘い頂いて有り難うございます。」
小林は冷静そうだ。
「仲間に入れてくれて、有り難う。今日は楽しもう!!」
「はーい。」美作は、小学生のように返事をした。
「何をお飲みになりますか?」
「そうだな・・・じゃあ、ビールを。」
「カケル君、遊んで~。」
「私も、私も。」
2人とも、佐藤とは仲良し全開に懐いている。
特に美作は、まるで犬の様に佐藤にすり寄っている。
「好き。大好き~。」・・と少し舌っ足らずの口調で佐藤から離れない。
「俺も、大好きだぞ~。」と、佐藤は子供をあやすかの様に答えている。
「あーあ、はしゃいで甘えちゃって。」
小林と桜田は、少し離れた所から2人を見守っている。・・・保護者か!!
「何時もあんな風なの?」 桜田が小林に聞いた。
「いいえ。私達は、出会って間もないですし。私と美作は、人見知りなので・・・。」
「コバちゃん、飲んでるか~?」2人は、小林に気遣って声を掛ける。
「ええ、飲んでますよ。」小林は、笑って答えている。
・・・・・そういえば今佐藤は、小林や美作とかなりくっついて、じゃれ合っている。
酔っていれば、こそばがりは大丈夫なのだろうか?
今度部屋で2人きりの時に、酔わせてみよう・・・などと邪な事を考えていたら・・・
「翔様、食べていますか?」美作が声を掛けてきた。
「食べてるよ。美味しいね、これ全部君が作ったの?」
「はい。翔様の好みをカケル君に聞きました。」・・笑顔が眩しい。
「こうですか?」
「違う!こうだ・・・!!」
何やら騒がしい声がしたので、視線をやると・・・
いつの間にか佐藤と小林が社交ダンスを練習している。
「あ~!狡い。私とは踊ってくれないのに・・。」桜田は大きな声で叫んでいた。
「はっ?何か問題でも?」
「いえ・・・何でもありません。」桜田が恐縮する。
・・・・・睨みをきかせたと思いきや、急に目がトロンとなりそのままの状態で佐藤は寝てしまった。
「カケル君、重い・・・。」小林は、佐藤を抱えている。
「2人とも、ごめん。佐藤が寝てしまったので、今日はお開きに。」
「了解で~す。片付けは任せてください。」
「翔様も、早くお休みになって下さい。」
「あっそうだ。小林君、新しく運転手を雇い入れたい。手配てしくれないか?」
「そうですね。早急にします。」
「ありがとう。今日は本当に楽しかった。・・・おやすみ。」
桜田は佐藤を連れて部屋に戻った。
飲み会はもちろん、執事を寝かしつけるなんて・・・・初めての経験だ(笑)
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