第6話 先輩を押し倒しちゃいました♪

「あ、先輩」

「おー……やっぱりお風呂上りの先輩はいいですねー……」

「まぁ、しばらくいるので何回か見てますけど」

「でもいいんですよ……。えへへ……」



「そういえばウチ、先輩の家に来てからこれで何日目くらいなんだろー……」

「一ヵ月……は過ぎてますよね。とーぜん」

「三ヵ月くらい……?」



「わー。けっこういますね」

「なんか今更ですけど……急に押しかけてきてすみません」

「あはは。本当に今更ですね」



「でも……またこうして先輩と会えて良かったなー、とは思います」

「その……こ、恋人にも、なったし」



「……えへへ」

「やっぱり先輩と恋人って、まだなんか慣れないですね」

「あんまり距離感変わんないっていうか……」

「前からけっこう近かったですし」



「……そうだ」

「先輩、お布団に行きましょう」

「……なんでも、です」

「はいれっつごー♪」



「……じゃ、先輩。お布団の前に座ってください」

「そーです。ではいきますよー?」

「どーん♪」



//SE 布団に倒れる音。ぼすん、という感じ

(耳元に近づいて囁き)



「えへへ」

「先輩、押し倒しちゃいました」

「ふははー。もう逃げられないぞー。なんてー♪」



「そのままー……ぎゅうー……って。ハグしますよ」

「ぎゅーー…………っ」

「んー…………っ」

「はぁっ」



「先輩、これ、発見ですよ」

「すごーく幸せな気分になります」

「ハグはストレスを和らげる、って聞いたことありますけど、これは本当ですね」



「……えへへ。ちょっと恥ずかしいけど、まー恋人ですから」

「このまま、もうちょっとだけいいですか?」

「ぎゅー……」



「あれぇー? せんぱーい。もしかして……照れてますー?」

「えへへ……可愛いー……」

「ぎゅー……」



「……よし。充電しました」

「一回先輩の上からどきますね。よいしょ……」



//SE 布の擦れる音



「……ふふ。これから何回でもできますよー」

「いやー、先輩がちょっと残念そうな顔してたから」



「それに、恋人らしいことってハグだけじゃないですもん」

「実はさっきからー……ぎゅーってしてると先輩のお耳が近いなーっと思ってたんですよねー……」



(もっと耳元に近づいて囁き)



「せーんぱい」

「聞こえますかー」

「先輩のお耳はー、ウチのものなのだー。……えへへ」



「…………」

「せんぱーい……好きですよー」



(少し耳元から離れて)



「……えへへ。言っちゃったー」

「あ、先輩こっち見ちゃだめですよ」

「目隠しにー……ぎゅー……♪」



「えー?」

「なんで好きになったとか……言われてもー」

「……別に、面白くないですよー?」

「いつの間にか……って感じなんで」



「先輩と最初会った時は、まぁいい感じの人だなー、くらいだったんですけど」

「話してみたらけっこう気が合うし。優しいし」

「なんか、よくない? みたいな」

「あれー? ウチ先輩好きかもー? ……みたいな」



「そんな感じです。……えへへ」

「……心配しなくても、ウチはちゃーんと先輩のことが好きですよ」



「せーんぱい」

「……呼んだだけです。ふふ」

「今日はこのまま……、一緒に寝ましょうか」

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