第5話 お休みはだらーっと過ごしましょうか
「あ~~見終わった~~」
「せんぱ~~い。流石に映画の一気見は疲れますね~~」
「わ、いつの間にかもう夕方ですよ。窓の外暗くなってきてるし」
「だいぶ見たなぁ……」
「まー、せっかくのお休みだからめっちゃ映画見ようって言ったのはウチですけど」
「でも疲れるものは疲れますね~。あ~いっぱい見たなぁ~」
「んー……っ、はぁ」
「……ちなみに」
「なんでサメがビームサーベル持って戦ってるんです?」
「ウチ、ずーっとツッコミたかったんですけど」
「実際ツッコミましたけど」
「そういうもの?」
「厳密に言えばあれはサメと人が合体したシャークヒューマンだからサメではない?」
「いやいやいや……」
「謎すぎませんか?」
「そういうもの……かぁ」
「こーいう先輩のチョイス、謎ですよねー」
「まー先輩のそーいうところも好きですけどねー」
「…………」
「……にぶちん」
「……ちなみにさっき聞きそびれましたけど、ウチの選んだやつはどうでした?」
「らぶらぶちゅっちゅっしてたやつ」
「ドキドキしました?」
「あんまりしないかぁ」
「ま、慣れてくるとそーですよねー」
「……先輩って何したらドキドキするんですか?」
「例えばー……」
「ぎゅ。って」
「こうやって手握ったら、ドキドキします……?」
「……ほーん」
「そーですかー。しますかー……」
「…………」
「……いや、その」
「この後のこと考えてなくて、どーしよっかなー……って」
「……も、もー、先輩こっち見るのだめです。ストップです」
「そ、そうだ。さっき欠伸してましたよね」
「体こっちに倒してください」
「はい。そーです。膝枕です」
「ごろーん、って。はい倒れてー」
「これで先輩はウチの顔見えないですね」
「よーし」
「一回映画は休憩にして、ちょっとだらーっとしましょうか」
「その間はー……じゃあー……先輩の頭、撫でてあげます」
「よしよーし……いつもえらいですねー」
「……えへへ」
「先輩もなんか可愛いですね。こうしてると」
「よし……よし……」
「こうしてると、なんだかゆったりした気分になりますね」
「時間の流れがゆーっくりしてくるみたいな……」
「ふぁ……ぁふ。欠伸出ちゃった……」
「ウチもちょっと眠くなってきちゃうな……」
「あー……先輩いない間、何してるか……ですか?」
「そりゃー学校行ってますよ。もちろん。学生ですから」
「でも最近はちょっと……やる気は少ないですね」
「先輩いなくなっちゃったので」
「……はい。そですね。頑張りますよ」
「あとはー、えっと……」
「家に着替えとか取りに行ったりー。お掃除したりー」
「あ、先輩のお部屋もちゃーんと綺麗にしましたよ」
「そーいう本は探したけど無かったですねー。……スマホかな?」
「……今度スマホの中身見せあいっことかしましょうか」
「ふふ。じょーだんです」
「他だと、お買い物とかですね」
「何か欲しいのあったら言っといてくれたら、ウチ買っておきますよ」
「食べたいものとかも、リクエストあると助かります」
「……え?」
「なんでここまでしてくれるの」
「……って……言われても……」
「先輩が……好きだから……ですけど……」
「…………いや。マジですけど」
「…………ほんとですよ」
「…………ほんとにほんと」
「あ」
「……もしかして……やーっと伝わりました?」
「ウチ、学生時代からすーーーーっごいアプローチしてたと思うんですけど?」
「……びっくりですよ。なんか、何よりもまず、びっくり」
「今伝わるんだ、みたいな」
「今まで好きって何回言ったかなーって数えちゃいましたよ」
「ウチ、だいぶ言ってますよ」
「ここに来てからも言ってるし」
「……いや、まー、返事はいつでもいいですよ」
「先輩にとっては急でしょうし」
「でも、断るにしてもなんか……早めにお願いします」
「付き合ってもない異性がいたら先輩も嫌で…………え?」
「おーけー?」
「……え」
「……聞き間違いじゃないですよね」
「ですよね」
「…………あはは」
「うわぁ」
「なんか、すっごい力抜けちゃいました……」
「そんな……まさか、こんな簡単な感じだとは」
「……あれ」
「じゃあウチと先輩は……恋人ってことで……いいですか?」
「……わー。わー」
「すごい、口が勝手に、にまにましちゃう」
「うわー」
「すごー……」
「えっと……何、言えばいいんですかね」
「と、とりあえず……末永く、よろしくお願いしますね。先輩」
「……はい」
「でも先輩、膝枕されてると恰好つかないですね」
「……えへへ」
「ま、そーいうところも含めて、先輩が好きですよ」
「もちろん♪」
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