第5話 お薬飲んでそんなすぐに治るハズないでしょ♥ おバカさん♥

// 病院の待合室

//SE 呼び出し音

// お会計兼処方箋受付に向かうヒロイン


「は~い♥ 岩本綾乃で~す♥ ありがとうございま~す♥」// 愛想のいい感じ


「はい♥ はい♥ すぐに飲んでいいんですね♥」


「わかりました~♥」


//SE 椅子に座る音

// 主人公の隣に戻って来たヒロイン

// 肩に寄りかかる


「パパが言った通りの病気だったね……」// 寂しげ


「心因性メスガキ退行病か……」


//SE ぼそぼそとしゃべる音


「……ん」


「そうだね。すぐに病気が特定できてよかった」


「お薬を飲んでれば治るし、日常生活には問題ない」


「ちょっと安心」



「けど、ちょっと複雑かも……」



// ヒロインがぎゅっと主人公の腕にしがみつく

// 言葉を選んでいる素振り

//SE ぼそぼそとしゃべる音



「……お医者さんが言ってたじゃない」


「日常生活で強いストレスを感じると発症するって」


「けど、あやの、そんなの心当たりないから……」



//SE ぼそぼそとしゃべる音



「違うよ! それは違う!」// 怒った感じ


「絶対にパパのせいじゃないから!」


「パパが原因で、こんな病気になったんじゃない……」



「だってあやの、パパのことが大好きだもん……」// 涙声



// ヒロインすすり泣く

// 主人公、ヒロインの頭をぽんぽんと撫でる

//SE 呼び出し音



「パパ、あやののこと、信じてくれる?」// 不安そう



// 迷いなく頷く主人公

// こくりと頷くヒロイン


「……ん。ありがと」


「そうだよね。きっと、何かの間違いだよね」


「パパとの結婚生活がストレスだなんて」



「そんなのあり得ないよね……」



// 主人公、ミネラルウォーターの入ったペットボトルを取り出す

// ヒロイン、処方箋から薬を取り出しペットボトルで飲み下す


「……ぷはっ」


「これで、一時間もしたら元に戻るみたいだけど」


// 寂しげに主人公を見上げるヒロイン

// 主人公がヒロインの頭をぽんぽんと撫でる

// くすぐったそうにヒロインが身をよじる


「えへへ♥」// 喜び


「パパのなでなで♥ 好き♥」


「今日はパパにいっぱい甘えられて、ちょっと楽しかったかも♥」


「いつもはお仕事忙しくって、いちゃいちゃできないものね……♥」


// 何かに気づく主人公

// どうかしたのという顔をしつつも、さらに甘えるヒロイン


「ねぇ、パ~パ?」


「あやののこと、好き? 愛してる? 世界で一番大事?」


//SE ぼそぼそとしゃべる音

// ヒロインにへへとはにかむ


「あやのもね♥ パパのことが大好きだよ♥」// 素直な感じで


「ず~~~~っと♥ 一緒にいたいくらい♥」


「世界で一番♥ い~~~~っちばん好き♥」



「……だからね♥」// 照れ


「もし、この病気が治って♥ 元の私に戻っても♥」


「その気持ちは♥ 変わらないからね♥」



「だから、ちゃんと――そのざこざこ脳味噌で覚えておいてね♥♥♥」// 照れ隠し



「ざ~こ♥ ざ~こ♥」



// くらりとヒロインが主人公にもたれかかる

// 薬の副作用で眠くなってきた模様

// ぎゅっと主人公の腕をヒロインが握りしめる



「なんだかちょっと、疲れちゃったみたい♥」


「少しだけ……寝てもいいよね♥ パ~パ♥」



// うなずく主人公

// ヒロインが身をさらに寄せる



「……うん♥」// 安心した感じ


「……そう言ってくれると思ってた♥」


「やっぱり、パパは優しいなぁ♥」


「ほんと大好き♥ 世界で一番好き♥ 誰より愛してる♥」



「メスガキになってよかったかも♥」



「パパに私の素直な気持ちが伝えられて♥♥♥」



// こくりこくりと船を漕ぐヒロイン

// そんな彼女の肩をそっと主人公が抱く


「ん……おやすみ、パパ♥」


「エッチな悪戯♥ しちゃダメだからね♥」


「なんて……ね♥」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


なんかちょっと死別ものみたいなノリになってきたけど、普通に元に戻るだけですからね。メスガキになる前のあやのちゃんは、どんな感じだったのでしょうか。

という所で、次の更新までやきもきしながら過ごしていただければと思います。

なお、次回で最終回です。


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