第123話 再会
ケイトの元にマグノリア女王からの使いがやってきて、その後の事を報告してくれた。
リボルに情報を漏らしたのは3人の生徒であったそうだ。
その生徒達は、卒業後に左遷して統合先のアンクリシアの端に移動させられるそうだ。
ケイトとしては、関わって来なければそれでいい。
そんな事より、今日はある場所に行く予定をしている。
今回の事と引き換えにマグノリア女王から条件を引き出したのだ。
「それじゃあ行きましょう、ケイト」
「ああ」
今日のお出かけもケイトとアリッサの2人である。
リオは、ミステルトと2人で街の様子でも見てくると言って朝から出かけて行った。
アリッサも、明日から数日はケイトはリオDAYにしているので2人でのお出かけに後ろ暗さはない。
それに、今日のお出かけはデートではなく公務のような者だ。
2人は馬車に乗って、目的の場所まで出かけるのであった。
ケイトとアリッサの乗った馬車が停まると、2人は馬車を降りる。
普段ならケイトが先に降りてアリッサに手を貸すのだが、今日はアリッサは我先に馬車から降りた。
「お久しぶりです!エリーゼ先輩!」
馬車から飛び降りる勢いで、アリッサが飛び降り、待っていたエリーゼに飛びついた。
「おう。危ないじゃないかアリッサ。いや、アリッサ王妃様だな」
「そんな必要ないですよ。アリッサで大丈夫です」
アリッサを受け止めたエリーゼが畏まった言い方を言うと、アリッサはそれを否定した。
「ご無沙汰しています。エリーゼ先輩、キース先輩」
「全く、初めて会った時に人材発掘の話をしたが、まさか国王になって戻ってくるとは思わなかったよ」
キースが無遠慮にケイトの今の状況を皮肉った。
「まあ、ここで話すのも何だ、家に入ろうか」
エリーゼに案内されて、ケイトとアリッサはエリーゼの実家の一室に案内された。
ケイトとアリッサの向かいに、エリーゼとキースが座って話を始めた。
「懐かしい話をしたい所だが、今日はそう言う事ではないのだろう?」
エリーゼの質問に、ケイトは頷いた。
「はい。マグノリア女王には2人が首を縦に振ればと許しを得ています。俺の国は深刻な人員不足で、少しでも信頼できる人が欲しい。お2人にクロノソレイユ魔国に来て欲しいと引き抜きに来ました」
エリーゼとキースは、予想はしていたものの、実際に聞いた言葉に空笑いが溢れた。
「ほんと、前代未聞よ、こんな引き抜きなんて」
「そうまでしてもお2人が欲しかったんですよ」
笑顔でそんな言葉を返すケイトに、エリーゼはくすりと笑った。
「俺らの負けだな。そんなド直球に口説かれたら、受けるしかないだろう」
「そうね、これからよろしく___」
「ちょっとまたれよ!」
2人が首を縦に振りかけた時、部屋の扉が開いてある人物が入って来たのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます