第120話 謝罪
リボルの父は、急いで城へやって来た。
マグノリアに謁見を求め、急ぎで会う事ができたので、息子リボルの愚行について報告して謝罪をした。
「なるほどのう。それで、うぬはケイト王への謝罪をどうする?」
マグノリアは、リボルの父をただ叱りつけるのではなく、これからどうするのかを問うた。
事をやらかしたのはリボルの父では無く息子のリボルだ。
リボルの父を叱りつけても何にもならない。
それよりも、リボルの父が、この国の為にどう言った行動を取るかが問題である。
その行動によって、マグノリアはどう対処すべきかを考えなければならない。
「息子リボルは後継から外して弟のゲイルを後継に。それで足りなければ廃嫡して平民、国外追放。それでも足りなければ私の伯爵位を取り上げてもらってもかまいません。ですから、何とか命だけは、処刑だけは許していたきたくお願いに参りました」
リボルの父は、そう言って頭を地面に擦り付けた。
「ふむ」
マグノリアはそれを見て持っていた扇子を閉じたまま口元に持って行き、考えるそぶりを見せた。
「ケイト王に聞いてみないと分からんが、お主の覚悟はわかった。しかしお主の爵位の件は無しじゃ。我が国にはお主は必要だ。もし、ケイト王がリボルの命を望んだ時は諦めろ」
マグノリアの言葉を聞いて、リボルの父は苦々しい顔をした。
その顔を見てマグノリアは笑った。
「なに、そこまで酷いことにはならんよ。ケイト王は優しいお方だ。だからあの方が魔王であろうと妾達は安心していられる。さて、それではケイト王の元に共に向かおうか。頭を下げるなら、妾も共に出向いた方がよかろう?」
マグノリアが言葉と共に立ち上がったのを見て、リボルの父はもう一度頭を下げた。
「ありがとうございます!」
「ほれ、いつまでも座っておっても話は進まん。はよう準備せい」
その後、マグノリアとリボルの父は、ケイトが滞在しているアリッサの実家へと向かうのだった。
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ケイトがアリッサと共に帰ってくると、屋敷にはマグノリア女王とガーテル伯爵が訪ねて来ていた。
「マグノリア女王、待たせてすまなかったな」
「何を言う。聞けばアリッサ王妃とデートだったそうではないか、微笑ましいことよ。だからこそ、申し訳なく思う。我が国のバカが、邪魔をしてしまったようだ」
マグノリア女王が訪ねて来た理由は今日のリボルの件であった。
そして、共に来ているガーテル伯爵、リボルの父親からも謝罪を受けた。
そして、リボルの処分を廃嫡や国外追放にとどめてもらい、処刑をしないようにお願いをされた。
ケイトは、話を聞いてガーテル伯爵に返事を返した。
「2つほど、やって貰えれば一つ目の継承権の破棄だけで許してもいい。と言うか、それを守れなければ、処刑せざるを得ない」
ケイトの言葉に、ガーテル伯爵は生唾を飲んだ。
このような条件を出されたのだからどのような要求がくるのか分からないからだ。
「1つ目はリボルに情報を流した生徒の突き止めと報告。2つ目は当たり前の事だが、これから先、リボルの行動を管理して俺達の目に触れさせるな」
「ありがとうございます」
ケイトの条件は温情と言っていい程の条件であった。
ガーテル伯爵は感謝を述べ頭を下げる。
マグノリア女王は口元を広げた扇子で隠して微笑むのであった。
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