第119話 カエルの親はカエル
「2人とも、いつまで話していますの。続きはディナーを食べながら話してはいかが?」
リボルの母が部屋に入って来て2人を夕食に呼んだ。
しかし、2人の雰囲気は楽しくディナーをする雰囲気ではなかった。
「あら、2人ともどうしましたの?」
リボルとリボルの父のただならぬ雰囲気を察して、リボルの母は2人に質問をした。
リボルの父は、これからリボルには罰を与えなければならない為、これまでの話の内容を説明した。
今日の行いの事を聞くと、ケジメとしてせめて後継としての立場を外さなければいけない。
マグノリア女王にお伺いを立ててからになるが、場合によっては廃嫡しなければいけない。
その事を説明すると、リボルの母は癇癪を起こして怒りだした。
「そんなのおかしいわ!だって平民でしょう?」
「何を言うんだ、お前まで」
リボルの父が驚いて声を上げたが、リボルの母は止まらない。
「貴族の私達が気に入らない平民をどうしようと関係ないでしょう! 平民を召し上げるは貴族なのだから、要らないと見切りをつけるのも貴族よ! それになんなの!元ウィンダムの学園生であった平民が王位についているのもおかしな話だけど、王位についた途端に偉そうに振る舞ってリボルちゃんに昔の恨みをぶつけて来てるだけでしょう? そうよ、ウィンダムは五大大国の一つなのよ? 振興の小さな国なんてマグノリア様に言って潰してしまいましょう!リボルちゃんは将来この国を背負う子だもの、学園の成績だってトップレベル。吹けば飛ぶような国よりリボルちゃんの将来の方が大切よ!」
リボルの父は、リボルの母、つまりは妻の発言に空いた口が塞がらなかった。
妻も学園の出身者だ。だからこの国が平民をどう扱っているか知っているはずだし、家に入っているので外交に関わっていないと言っても、その辺りの知識はあるはずである。
リボルの父は、どれだけ庇ったとしてもケジメはつけなければいけない事を説明する。
「それはできない。クロノソレイユ魔国の国立は五大大国の総意だ。その王に失礼を働いたのだからケジメをつけなければならん。リボルは後継からはずして後継はゲイルとする」
「な!あの女の子供に継がせるなんてとんでもない!あれも平民の血が混ざっている雑種!ガーテル家の血が汚れますわ!」
リボルの父は、妻が喚く言葉を聞いて説得は無理だと判断した。
「話は終わりだ。私は城に戻って温情を嘆願する! 馬車を用意しろ!」
リボルの父は喚く妻を放置して、少しでも
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