第111話 救出

時は少し遡る。


「さて、私達もアンクリシアに向かいましょうか」


「そうね」


アリッサとリオは、ケイトを見送った後、自分達もアンクリシアに向かう準備を始めた。


2人は、ウィンダムの兵士を借り受け、ケイト達の後を追って拉致被害者の救出に向かう。


アンクリシアはもう落ちているだろうが、救助してウィンダムに運ぶ兵は必要だ。


攻める為の軍隊では無いので、騎馬ではなく救助用の馬車の大群を引き連れ、商業隊と間違われて盗賊に襲われた時の為に護衛の騎士を連れ、アンクリシアへ向かって飛び出した。


勝ち戦が決まっている為、経験の為に学生も何人か連れて行く事をマグノリア女王と約束してある。


勿論、人選は学園長がする為、優秀であろうとケイトと因縁があったり、悪感情を持ってる人は選出されることはない。


アリッサとリオは、なるだけ早くアンクリシアに着くために、急ぎで出発したのであった。




アリッサ達の軍行はなんのトラブルもなく、アンクリシアまでたどり着いた。


アンクリシア城の前には拉致被害者達が寝かされており、意識のある人は座って食事を与えられていた。


「アリッサ様でありますか!私はケイト様の新しい配下になりましたトビーと申します!被害者は重症者より先に表に運び出しております! これからまだ連れて参りますので外の被害者より順番に護送願います! あ、ケイト様とミステルト様は今ユーリカとユカリと言う異世界人を捜索中であります!」


トビーの報告にある様に、ケイトはこの場をトビーに任せて捜索に出ている。


地下で被害者の安否を確認して、トビーに任せた後、ユーリカの身代わりにされた異世界人のユカリの元に戻った。


しかし、後回しにしてしまったせいでユカリは待っておらず、逃げ出してしまっていた。


ケイトとしては、後でフィルメロウに魔力が足りるかを確認してからできることなら帰してやるつもりであったが、それをしっかりと伝えていなかったせいで、逃げてしまったようだ。


ステータスを見た後だった為、索敵で探ったのだが、ユカリは人任せにしてステータスを上げていなかった為、離れると気配が薄くなりすぎてどこにいるかは分からなかった。


とりあえず、城下町を探して見つからなければまた戻ってくるとの事だ。


ケイトが帰ってくるまでの間、アリッサとリオはトビーと一緒に被害者の救出に尽力するのであった。



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