第59話 チグハグパーティ
レミント、トモヤ、アスカの3人は旅を続けていた。
アクアリアからの帰国指示があったが、無視して、連絡を断ってまで旅を続けている。
帰国しないのは、リオが抜けた事はリュクスが報告しているだろうから、手柄を立てて、自分の言い分が正しかったと証明してからでないと帰れないと考えたからだ。
連絡を断った為にアクアリアからの支援は受けられなくなったが、旅を続けられているのには理由があった。
3人以外にも、旅のメンバーが増えたのである。
それが、アースランドの勇者御一行だ。
アースランドの勇者が、トモヤと知り合いだったのだ。
同じ塾に通っていたとかで、旅を共にする事になった。
成長して自分達で生計を立てる事はできていたが、後ろ盾があるのと無いのではだいぶ違う。
それに、レミントは功績として勇者を伴侶に欲しかった為、都合がよかった。
特にアースランドの勇者4人の内、2人が1人を取り合っている為、余りが出ている。
省けにされている為、優しくしてやればすぐに絆されるだろうと思っている。
一行は今、ダンジョンアタック中である。
レミント達は相も変わらず単独戦闘でモンスターを倒している。
レミントは、アースランドの勇者の中で、1人省かれている事が多いサナにいい所を見せようとオーバーにモンスターを倒す。
まだダンジョンも2階層でモンスターも弱い為楽勝である。
アースランドの勇者達は、いつも揉めている印象だが、上手く連携を取って戦っている。
とはいっても、他力本願なユカリを守る様に、リョウとタカヒロの2人が競い合って倒している。
マウントを取る為に、相手をフォローしあって鼻で笑っている事が、連携になっているのだから面白い。
その実は、サナが2人に向かうモンスターを調節して向かわせているのだが、サナはドジでモンスターを倒せていないとしか思われていない。
今も、モンスターの突進を、反らせて尻餅をついた。
そのモンスターはリョウの方へ向かい、リョウが倒した。
リョウはモンスターを倒せなかったタカヒロを笑い、それに対抗心を燃やしたタカヒロが次の日モンスターに向かっていく。
そして、関係ない場所でユカリが応援している。
尻餅をついたサナが立ち上がりると、オーバーにモンスターを倒したレミントがポーズを決めていた。
トモヤとアスカは慣れた様に淡々とモンスターを倒して、モンスターが居なくなったら仲良くハイタッチをしている。
戦闘が終わると、サナがリョウに駆け寄った。
「リョウちゃん、大丈夫? 少し怪我したみたいだけど」
「うるせえ、こんなもんなんでもねえよ」
リョウのサナに対する扱いは雑であるが、それでも幼馴染のサナは毎回甲斐甲斐しくリョウを心配する。
リョウとしては、ユカリにいい所を見せたいのにちょっとの怪我の指摘をしてくるサナに苛立っていた。
モンスターに特攻するリョウと違い、タカヒロは考えて戦う為倒すモンスターの数は少ないが怪我はない。
なのでタカヒロはリョウに傷がない事をアピールして鼻で笑った。
「喧嘩うってんのか?」
「別に、怪我は痛くないのかと思ってね?」
2人の目線の間には毎回こうして火花が散っている。
それを見て、原因であるユカリは笑っている。
なんともまとまりのないパーティであるがこの日、2階層を突破する事ができた。
一旦地上に戻り、宿で英気を養う中、アースランドから、緊急の連絡が届いたのは4日後の事であった。
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あとがき
食欲の錬金術師〜草しか食べれないエルフは禁断の錬金術に手をかける〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330664101609771
忍者が箒を使って何が悪い!
https://kakuyomu.jp/works/16817330662918128563
の2作品をカクヨムコンテスト9に応募しています。
そちらの評価とコメントも頂けるととても嬉しいです。よろしくお願いします。
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