第7話 ギルド

クリットの部屋


「ふぅ~、これで今日やりたかったことは大体終わったかな?」

あぁ、そうだな。明日はどうしようか。は鉱石がなきゃ始まらないから、クリットの好きなことをしていいよ。

「う~ん、剣を見に行こうかな。ほら、戦う時に多分一番使いそうな武器だし」

確かに、それに何回か実物を見れば[創造]で作った剣も一般的なものと遜色ないものになるはず。剣の他に使いそうな武器はないのか?

「…無いね。それに剣なら自由じゃん。片手に持つのか両手で持つのか。はたまた2本の剣を使うのか剣と盾を使うのか」

そうだな。


次の日


「じゃあ、今日は日が落ちる前には帰ってくるからね」

「分かったわ。いってらっしゃい」

目的地は王都の中の冒険者が集まる場所であるギルドの辺り一帯である。

「冒険者に売る剣ならそれなりに安いだろうし、貴族相手に送るような戦いで使えなさそうな物じゃなくていかに相手に攻撃を与えるかを重視してるから僕たちの目的を十分に叶えられる」

…ちなみに買えるだけの金はあるのか?

「…ふふふ~ん」

ねぇのか。

「まぁ、お小遣いぐらいならあるよ。でもあまりに高いものは無理かな」

「だからお金を稼ぐために冒険者の登録をしようかなぁ~って。冒険者になって依頼を受ければお小遣い以上にお金が貰えるし」

登録ってそんなに簡単にできるのか?

「そうだね、簡単な自分の情報を伝えれば登録できる。登録も魔導具を使うだけだし、それに登録して損はないから」

そんな風に会話をしながら王都にあるギルド周辺に向かった。


王都にあるギルド周辺

この前に行った繁華街とかなり変わった景色になるだろうと思っていたが、さほど変わらず変わったものは店に売られているものが食べ物中心から冒険者向けのものに変わったぐらいだった。

そしてギルドの目の前に来た。

意外と普通の建物なんだな。

「(いや、かなり目立つものだよ。他のものよりもかなり大きく作られているし、そもそもの作りが違うって聞くし)」

作りが変わっているのはそうなんだが、色味は周りの建物と同じだから地味。

「(?材料が同じなんだから当然じゃない?)」

あぁ、そうか。建材が木や石、岩が主体だからか。塗料の開発はまだなのかな?


そうしてギルドに入ると、よくあるファンタジーにありがちな酒場が併設されていて酒場のカウンターの他に依頼を受けるカウンターもあり、その近くには依頼が貼り出されていると思われる掲示板もあり、装備を付けた人が受付に話すと受付の人が掲示板ら紙を剥がし元の席に戻り手続きをし始めた。

クリットはカウンターに行き、

「すみません。冒険者の登録はここでできますか?」

「はい、できますよ。ではここに必要なことを書いてください。」

クリットは渡された紙に必要なことを書いていき

「はい、ではこの魔導具に手を当ててください」

紙を回収すると少し大きめの携帯電話ぐらいの大きさの板を渡してきた。

クリットは手を当てるとその板は少し光り色が白から赤に変わった。

「はい。すみませんが、魔導具に登録するため一度返していただけますか?」

「あ、分かりました」


魔導具を返し受付の人が作業をすると魔導具が返って来た。その魔導具には文字が入っていた。

「はい、これで登録は出来ました。冒険者になるために必要な講義があるので少し待っていてください」

講義を受けなきゃいけないのか。

「(僕も初めて聞いた。もしかして不合格とかあるかも?)」

そりゃないだろ。

そんなことを考えながら待っていたら受付の人とは別の人がやってきて部屋に案内された。


=====


「(大したことなかったね)」

結論からいうと俺らが恐れていた合否があるような講義ではなく、講義いう名の講習会だった。

その内容は


・冒険者は実力からクラス分けされていて、一番上がランクS、そこからA〜Fという風に分けられていてランクごとにプレートの色が決まっている(赤はランクF)

・ランクを上げるためにはギルドからの依頼を受ける必要があり、その依頼を達成できたらランクが1つ上がりプレートの色が変わる

・依頼の確認は掲示板で、依頼を受ける時は勝手に掲示板から外さずに受付に言うことで受けられる

・悪いことが発覚するとギルドの裁量で罰がある

・ギルドが運営している店ではプレートを見せると普通より安く利用できる


とのこと

正直これだけなのかとは思った。例えばギルドから指定される依頼だが、どのようにすれば依頼されるまでになるのかは分かっていない。おそらくギルド側が一方的に隠していることであり基準はあるのだろう。けれどもそれが分かっていないのは少々不安だ。討伐系の依頼を集中して受ける必要があるのか、それとも幅広く受ける必要があるのか、条件によって必要な実力が変わってしまうのはどうなのか。


まぁ、それは今はまだいい。俺らにそれを問いただす権利はないからな。それよりも俺らにとって今有益な情報は最後に言われた店の割引利用に関してだ。

「(ギルドの店に行ってみようか。値段が気になるし)」

そうだな。

ギルドが運営する店は分かりやすく看板に「ギルド営業」と書かれているらしい。(俺は読めないが)

ギルドが運営する店「エルト」に入ると冒険者に割引が適応されるだけあって、人が多く広さもかなりありスーパーぐらいの広さがある。

その中にある剣がおいてある一角に来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る