第3話 [創造]の真価とパワー
「(ごめん、少し興奮しすぎた)…本当に少しか?(ハハハ…)」
まぁ、いいか。落ち着いたなら。それよりも
「時間は大丈夫か?(…変わってくれない?)」
あ、そうだった。
「う~ん、あと少しなら大丈夫だけど本当に少しだなぁ(それならいい。他は後にしよう)」
そう言って授業を受けるための準備をするために人気のない場所を後にした。
---ふふふ。
====
授業終わりそして帰宅し、クリットの部屋
「(また変わってくれないか?)え!まぁいいけど」
そうしてまた入れ替わった。
「昼間出来なかったことをやる(出来なかったこと?)」
そうあくまで昼間やったことは考えていたことの1つ。
「[創造]の「材料がなければ作れない」という点に関してだ」
「(う~ん、そっちに関してはどうしようもなくない?材料がないと作る元がないんだから。)」
「そうだな。でもそれはこっちの常識だ」
まぁ、俺のいた世界でも常識とは思えないことだが。
こっちの世界で出来ない考え、というか観測しようとしたら何百年かかるかもしくはそれだけかけてもわからない可能性もあること。
「なあクリット、この世の全てのものが細かく見たらほとんど同じものが集まって出来ているって俺が言っても信じられるか?(信じるね。そもそも、サクロウの存在も不思議だしね)」
それならいい。原子レベルのことなんてここでは観測できないし俺のいた世界でも一般的には観測できない。だからこの考えが創造に適応出来るかどうかは賭けだ。
「俺の考えが正しければ空気の中にも同じものがあるはず。それを材料として[創造]を使えるかどうか実験したい(それが出来たら…)あぁ」
[創造]は外れスキルなんかじゃない、ある意味何でも出来るスキルであることの証明になる。
「何を作りたい?(あれ?それは決めてないんだ)ここはクリットの部屋だからな。余計な物をつくってもなぁ」
「(じゃあ、いすで)了解」
オーソドックスな木の椅子を想像する。空気中にある陽子、中性子、電子を使って作るように。すると
コトン
「(おお!)」
時間はかかったが、見た目は木製の椅子が目の前に現れた。
「よいしょっと」
座っても問題なさそうだな、本当に木製なのかっていう問題はあるが少なくとも機能性の面では問題なさそうだな。
「(成功したね…)あぁ、間違いなく[創造]は強い」
俺の世界では原子は膨大なコストを使ってでしか他の原子に変換出来ないという考えが一般的だったが、[創造]には通用しない。まさに[創造]は自分の中の想像が現実に創造出来る、そんなスキルだ。
====
次の日
昨日と何ら変わらない日常、メイヤさん(母親)とマークスさん(父親)との朝食を食べ終わったところ。昨日とは違い自分の部屋に戻るクリット。
今日は学園に行かないのか?
「(今日学園は休みだよ?図書館は使えないよ)」
マジか…今日は何をするんだ?
「(う~ん、父さんの手伝いがあるかもしれないけど朝何も言ってこなかったところを見ると今日は何もないかな。ここでのんびり過ごすつもり)」
そうかそれなら、今後のことを考えて行動しないか?
「(…いいね~)」
「で、どうするの。(まずクリットが[創造]を使って見てくれ、俺がやったみたく)わかった」
そう言うと俺と同じようにクリットは手を出すが、
「無理みたい、多分知識がないからかなぁ。(そうか)」
ならば、俺が主として行動するしかないか?
「あ、そういえば。戦ったことがないんだよね?(あぁ、そうだ)じゃあ戦いは自分がやるから[創造]はサクロウがやって」
いや、[創造]で作った魔法も戦いで使うんだろ?意味がないんじゃないか?
「いや、僕が剣で戦って[創造]を使うときだけサクロウと交代すればいいんじゃない?こうしてイスが残っているんだし魔法も放った後なら僕に交代しても消えないんじゃない?」
…交代の隙はどうするんだ。第一こっちは交代したときの感覚にまだ慣れてないし、そもそも動きながら交代出来るのか?
「慣れてないのはこっちも同じだよ。…出来るか分からないなら出来るまでやる。出来たら便利なんだから」
おいおい。
「だから今からやるよ~」
そこからひたすらに交代、または動きながらの交代を部屋内で繰り返した。こいつ見た目に反して体力馬鹿か?
ハアハア
「もう~つかれたの?僕は全然大丈夫なのに」
精神的に疲れるんだよ!…ふぅ、よし変わってくれ。
「分かった!」
ひたすら交代している途中で、午後は俺に身体を預けるように頼んでいた。
「(で、何するの?)鉱石を売っているところはどこだ?冒険者相手に売っているところもあるのだろう?そこに行く。案内してくれ。(う~ん、大まかな場所だけなら)」
どうやら鉱石を売っている店が並ぶ場所は知っているらしい。
「まあ、行こう。クリットについて質問しながらになるが。(僕について?なんで?)」
「そりゃ、クリットの身体でも俺の身体でもあるからな。流石に自分については知っておきたい」
昨日と同じようにクリットと交代し、町を出て王都に向かう。
その道すがらいろいろ聞いた。
・剣術などの武術は独学だがある程度出来る
→理由は幼い頃に英雄に憧れてひたすらに冒険者の戦闘や騎士の訓練などを隠れて見ていて、それを真似して父親に木で作ってもらった武器を振っていたから。
・さらに父親が猟師で今でも猟の手伝いをしていて、動物や魔物との戦闘や運搬の経験や生物の急所の位置などの知識もある。
…こいつ見た目によらず近接得意なパワータイプかよ!
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