第8話 革のお店
2日に1回、薬草採取をする。薬草採取しない日は、掘り出し物を探す。
薬草採取の日は、つけられないように宿の裏口からでて、人混みを通り、森へ行く。
視線を感じたので、採取を終わらせ、急いで門へ向かう。ギルドへ納品し、人混みに紛れて革のお店に向かう。
「こんにちは」
『ああ、できてるよ。つけてみて。』
うん、いい感じ。
鎌も入れてみる。しゃがんだり、ジャンプしたりしてみる。フィットしてていい感じだ。
ナナメがけカバンの容量でナナメにもつけてみる。
「いい感じです。」
『よかったよ。ナナメにつけるならもう少しベルトが長くてもいいか。幅もカバンに近いところは太くてもいいな。ナナメ用は別で作るか。前に言ってたデザイン料だが、金貨2枚と銀貨5枚でどうだ?』
「そんなにいいんですか?」
『ああ、冒険者ギルドでまとめて買い取ってくれることになった。で、今回のカバン代が銀貨5枚だから、金貨2枚な。』
「ありがとうございます。」
『おやっさん、頼んでたのてきてるか〜?』
『来客中だ。ちょっと待ってろ。』
『あれ?君、草抜きの子だね。』
「はい。」
『そういや、聞きたいことがあったんだ。草刈りで使ってた魔道具なんだが』
「鎌ですか?ダンジョンドロップ品です。」
『ダンジョンドロップ品?あれ、きれないだろ?』
「使い方があるんです。商業ギルドに情報を売ったので、そのうち出てくると思いますよ。」
『へぇ、それを待つか。ところで、そのカバンはおやっさんの?』
『ああ、そうだ。ギルドにも卸す予定だ。』
『鎌が入ってるところを剣帯ベルトか小型ナイフでできるか?カバンの大きいほうをマジックバッグで小さいポケットはそのままがいいな。』
『剣帯ベルトは出来るがマジックバッグを縫い付けるのか…マジックバッグの機能を損ねなければいいが。まあ、やってみよう。あ、お嬢ちゃん、すまなかったな。』
『お嬢ちゃん?』
「…男の子に見えませんか?」
『う〜ん、フードでわかりにくいようにはしてるんだろうけど、職業柄そのくらいはわからないとやってけないさ。』
そっかぁ、さすがプロ。
『そういえば、まだつけられてるのか?』
「それもお見通しなんですね。女の方がダンジョン都市にくるときに同じ馬車に乗っていたんです。薬草を頻繁に納品しているせいか、目をつけられまして。ギルドの宿にいるんですが、宿の近くでも待ち伏せされてて。」
『ギルドには話したか?』
「いえ、この程度では無理でしょう。」
『そうだな。宿は変えたほうがいいが。』
「ギルドの宿、安くて。どこか住み込みの仕事でもあればと思っているんです。」
『住み込みか、きちんとしたとこに登録して派遣してもらうといいが。』
「できれば、性別がわからないといいんですけどね。」
『それは、難しいな。』
『うちで雑用はどうだ?料理はできるか?』
「え?料理できます。」
『これでも、Aランク冒険者、ライドだ。不安なら冒険者ギルドに指名依頼だすが』
『まあ、お前なら安全だろうが』
「指名依頼だしてもらえるとありがたいです。まだ、低ランクなので、ギルドで長期仕事ができないと、ランクダウンしてしまうので。」
『では依頼を出そう。衣食住付きで一日銀貨1枚でどうだ。』
「そんなにいいんですか?」
『とりあえず2週間。そこでもう一度話合おう。ギルドに依頼を出しておくから、明日家へ来てくれ。』
「はい。ありがとうございます。」
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