お隣に住む従姉妹のお姉さんが俺の猫になってくれました。

「ふにゃー……おこた最高……」


「冬はやっぱりこたつでみかんだよねぇ」


「はい、あーん」


みかんの房を差し出すヒロイン。

自分で剥ける、と拒否する主人公。


「ええ~、せっかく剥いたのにぃ。筋も綺麗にとったよ?」


綺麗に剥かれたみかんを眺めて、手に取る主人公。


「あっやっぱり食べる?」


主人公がヒロインの口元にみかんの房を差し出す。


「ん? ……食べさせてくれるの?」


「へへ、あーん。はむ、ん、んふふ、おいし」


「剥いたの私だけどね~」


「もう一個? あーん」


「なになに、どしたの? ……餌付けしてる気分?」


「……楽しいの?」


意外と楽しい、と真顔で答える主人公。


「ん~……」//テレたような、むずがゆいような感じ


「普段は私が餌付けしてる方だから、なんだかこそばゆいなぁ」


「……餌付けだよ? 君が私のご飯を一番美味しいって覚えて、他のものなんか要らなくなればいいなぁって」


「ふふ、じょーだん、じょーだん」


「……お?」


//SE 髪を撫でる音


「きゅ、急に頭なんか撫でちゃって……どしたの?」//動揺して


「いつも頑張ってるご褒美?」


「ご飯作ってるのは、私が好きでやってることだし……他のことだって……」


「ん……んえへへへ……」//嬉しくて顔が緩む


//SE わちゃわちゃした音

主人公がヒロインの顔から頭から撫でくり回す


「わわっ? ちょっと、ぐちゃぐちゃになっちゃう、んむ」


「か、飼ってた猫を思い出した?」


「ん~~、んもう!」


「つーかまえた♪」


主人公の手を掴まえて、頬をすり寄せる。


「触るなら、優しく触ってほしい……にゃぁ♡」


//SE にゃー 猫の鳴き声

実家の猫の幻覚が見えている主人公。


「ふにゃ!?」


あごの下をこしょこしょされるヒロイン。


「ね、猫じゃない、猫じゃないから、あご撫でてもごろごろ言わない……っ」


//SE ごろごろ 猫の鳴き声

※主人公の幻聴


「くすぐった……っ、んう」


//SE 猫パンチ 肉球っぽい音


「そこまで!」//真っ赤になって


「本日のじゃれあいタイムは終了しました! 猫はこたつで丸くなります!」


こたつにもぐろうとするヒロインに、猫じゃらしを持ち出す主人公。


「ぐ……っ、ね、猫じゃらしを構えてしゅんとしてもダメです!」


//SE きゅぅん、と子犬の鳴き声

主人公に子犬の幻覚が重なって見えているヒロイン。


「はっ、子犬の幻覚が!?」


「う、うう……っ」//葛藤して


「…………にゃぁ」


//SE ぺし、と猫じゃらしを叩く音 鈴が鳴る

その後も遊んでいる感じで、叩く音と鈴の音を何度か繰り返す。


「……ご満足いただけましたか、ご主人様」


満足げな主人公。


「……」//仕方ないなぁ、というような吐息


「君に飼われるなら、悪くないかもなぁ」


「でも、君のことはそのうち私が飼うんだけどね」//ぼそっと


「んーん? なんでもない。たまーになら、また遊んでほしいにゃぁ♡」

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