第215話 束縛(2)

 あの男……。ドン宰相と繋がっている訳ですから。尚更、陛下の耳には入らない。


 また、それをわかっているから辺境の伯爵は国王気取りで、好き放題をしてきた。


 でッ、その最中に、異を唱えた正義感の強いルインとルイスの父親は謀反で逮捕され張り付けの刑で処刑をされた。


 だからルインとルイスは、母親と村を捨て逃げるように帝都へと。


 母親自身に当てがある訳でもなく逃げるように着て、隠れ暮らし。


 その後は以前説明をした通りで、裏社会のろくでもない男に引っ掛かり。


 その男に家族を養ってもらう訳でもなく。


 その男に貢ぐために、自身の身体を身売りする仕事を続け、最後には流行り病なのか? 性病なのか?


 それとも、あの当時裏の社会ではびこっていた、怪しき薬の副作用のためか? 幼い娘二人……。


 そう、わたくしと同じ境遇で、ルインとルイスを置いて他界をしたのだが。


 あの件もバルガート伯爵は、陛下の許可もなく、勝手に民衆を武力行使で鎮圧し、虐殺をしたみたいだから。


 わたくしはルインとルイスに頼んで、バルガート伯爵が、自身の利益のために犯した罪……。



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