第206話 陛下! (2)

『あなたが、ちゃんと、この国の皇帝なのだ! と。家臣達や国民達に示してください!』と。


『でないと? わたくしのお腹にいる子が産まれた後に、爵位を奪われて、この国から追放……だけならばいいのですが。王族、王子、王女と言うだけで絞首刑にでも遭ったらどうするのですか~?』、


『エン、エンエン』、


『シクシク』と、陛下の前で、自身のお腹を撫でつつ、悲しめば。


『よし! 分った! ソフィア! 儂は今後沢山産まれてくるであろう。我が子達の為に本気で仕事……。政務の方を頑張り。この国は、誰の一族の者なのかを示してやる!』と告げ。


『いざとなれば、ドン宰相あやつの仲の良い隣国と事を交えようが。儂の力を天下に示してやる!』と。


 いつもは、大人しい陛下が、わたくしとお腹の子を守ると誓ってくれましたから。


 わたくしは陛下に。


『あなた~。大好き~。愛しています~』と淡く、甘い声音で歓喜しつつ。


 愛する陛下の胸に飛び込み、抱き付き、甘え、にゃん、にゃんと、サービス! サービスでございます!


 だから陛下は、わたくしの助言を聞き入れ、お仕事の方をちゃんとしてくれるようになりましから。


 わたくしは歓喜──!


 でもドン宰相の方は気に入らない、口惜しい顔──悪態をつきますが。



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