第203話 天誅の為の準備! (6)

「そうですか」と、わたくしはルイスへと言葉を返せば。


「やはり、あの男……。まだ、そんなはしたないことをしていたのですね……」


 わたくしは、あの男がおこなった悪行を何度も、見ては、腰を抜かし、逃げ帰ったことがある。


 だからわたくしは陛下に、相談をした方がいいのでは? と。


 わたくしは幼い頃に何度も思い、悩んだ。


 でも、わたくし自身、幼いながらも、あの頃はまだ父と思っていた陛下に対して、言ってよいことか、悪いことかを。


 自分なりに判断をして、陛下に言わずに、この齢まで、心傷したまま成長をした。


 だからイモール件も含めて、このわたくしが自ら天誅を下すつもりですから。


「ルイスの隊は、そのまま、あの野蛮で変態な男の監視をおねがいします」と。


 わたくしは憤怒した表情で、ルイスへと告げる。


「はい、姫様! 分かりました!」


 ルイスはわたくしの下知を聞き、元気よく返事を返してきた。


 その様子を見れば、先ほどまでルイスが気落ち、落胆……。


 彼女は悲しんでいましたが、もう心身の方は大丈夫そうだ! と。


 わたくしは思えば。


 ホッ! と胸を撫で降ろし安堵……。




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