第202話 天誅の為の準備! (5)

「姫様?」


「ん? 何ですか、ルイス?」


 わたくしがルインへと言葉を返せば。


 今度はルイスが言葉をかけてきた。


 だからわたくしは、今度は、ルイスへと首を傾げる。


「あの、男はどうするのさ、姫様?」


 ルイスがわたくしへと尋ねてきた。


 だからわたくしは、「もしかして、イモールのことですか?」と。


 今ルイスの隊に担当してもらい、様子を窺っている男の名前を上げ尋ねてみた。


「うん、そう。あのいやらしい男……」と。


 わたくしが庭師のイモールの名前をあげると。


 ルイスは直ぐに怪訝な表情……。


 そう、彼女は汚物でも見たかのような顔をしながらわたくしへと言葉を返し。


「本当に、あの男どうしようもない男だね」と。


 ルイスは、自身の目を細めながらわたくしへと告げてくるから。


「何か、遭ったのですか、ルイス?」と。


 わたくしが、にへらと笑いつつ尋ねれば。


「あの糞のような男に、嫌味でも、握られているのかな? 若い宮廷内のメイドが。あの糞男に、庭園の外れにある倉庫に呼び出され。あのクソ男の相手を泣きながらしているのをうち等見たから」と。


 ルイスが憎悪を含んだ顔へと変貌しつつ、わたくしへと報告。


「だからうちさ、姫様! 女を玩具にして喜んでいる、あの男が歯痒いから。自身の持つ、短剣を投げて、殺してやろうかと思ったのだけれど。その時は、グッと堪えて我慢をしたよ」と。


 ルイスは、イモールが女性達へとしている悪しき行為が、自身の他界した母が、客の男達にされていた行為と被るのでしょう。


 自身の奥歯をガリッ! と噛み締めつつ、わたくしへと告げてきたから。


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